ひといろ

舞台の感想とか推しの話とか

4ヶ月ぶりの推しの現場でした

先日約4ヶ月ぶりに推しの生のお芝居を観てきました。

やっと、やっとこの日が来たよ!!!!!

最後に観た舞台が3月の推し主演の舞台だったから、再開もまた推しの舞台で始められることが何よりも嬉しかったです。

 

正直色々不安はありました。

日々増え続ける感染者数とクラスターが発生してしまったこと。
どんなに対策をしていても100%大丈夫・安全とは言えないこと。
この時期に本当に観に行って良いものなのかということ。

 

そして舞台での観劇がすっぽり抜けてしまったこの4ヶ月で「今までのように舞台を観ることが出来るのか」ということが一番自分の中で不安の種でした。

 

 

「演劇はやっぱり生で観るのが良いよね!」というのは自分でもよく分かっているつもりなのですが、如何せんこの自粛期間オンラインでしか観れなかったこと、そして案外順応性が良くてオンラインの観劇に慣れ始めてしまったがゆえに、生の観劇の感覚を取り戻せるのだろうかという不安…。

こういう状況だから緊張感を持って劇場に行かなければいけないし、今までみたいにただ心を空っぽにして日々の癒やしのために気軽に劇場に行くこともできない。

何もかもが今までと違うから、今までと違ってしまうということを感じるのがちょっと怖かったのかもしれません。

 

 

それでも実際にお芝居が始まれば、オンラインでは感じることが難しかった空間の奥行きとか、身体にまで響く音響とか、吸い込まれそうになるような暗転とか、「あぁ、劇場だなぁ。劇場でお芝居観てるんだなぁ。」という実感がじわじわと自分の中で湧いてくるのが分かりました。

 

座席の関係で推しがちょっと見切れる位置だったからお芝居している姿をずっと観ることが出来なかったのは少し残念だったけど、時折見えた表情に「あ、推し目の前にいるな」と感じることができて幸せでした。

「あれ、なんか今までとちょっとお芝居のテイストが違うかもしれない…」なんてことも感じて、より一層推しのお芝居が好きだなって強く思った!!推しのお芝居サイコー!!!Fooooo!!!!!!!
思わず「あ、これは手紙書かねば!!」って思ったので自分の中でめっちゃ響いた模様(手紙は衝動で書くタイプの人間)

 

お話の内容的にはハッピーな感じというよりはとても考えさせられるような内容だったんだけど、本当に贅沢な時間だったなぁと思いました。

 

本当にね、観劇って贅沢。

今までも劇場で観劇することは日々の楽しみだったんだけど、どこか「当たり前」になっていて、この状況下になって初めて幕が上がることは奇跡の積み重ねだし、そこに自分がいれることも奇跡で贅沢なことなんだなと思いました。

 

あと久しぶりの推しの現場だからって2週間くらい前から肌や髪の手入れをより一層丁寧にやってたんですよ。
推しのこと考えながらそうやって準備する時間ってしばらくなかったから「こういう時間含めて好きだったんだな」ということにも気づきました。

 

これから先がどうなるかまだまだ分からないけれど、推しもみんなも健やかでいられますように。そんなことを願うことしかできません。

 

あ、余談ですがものすごい暑い日に観劇したんですけどマスクをしていると普段以上に汗をかくし体温も上がります。
私の場合、人が少ない日陰でマスク外してしばらく涼んで、手持ちの扇子で扇いで汗が引くまでしばらく待ちました。ギリギリで劇場についたりダッシュして来たら平熱高い人は検温で引っかかる可能性があるのでちょっと涼む時間があると良いかと思います。

夏場のマスク本当に地獄!!!!!!

 

 

↓何かあればマシュマロへ↓

(夏場のマスク着用にも耐えられるメイク方法とか教えてほしい)

marshmallow-qa.com

2020年上半期の振り返り

今年も一応やります!!!上半期の振り返り(振り返るものがあるのだろうか…)

 

<1月>

舞台「刀剣乱舞」維伝 朧の志士たち

<2月>

「27 -7ORDER-」

<3月>

オフィス上の空プロデュース「共骨」

十二夜

<4月>

※ネット演劇「マトリョーシカの微笑」

<5月>

※ネット演劇「刑事×刑事」

<6月>
本多劇場PRESENTS「DISTANCE」(6/2、6/6)

※ACALINO TOKYO「演劇の街をつくった男」

※Online♡Reading「百合と薔薇」vol.1

※朗読劇「僕とあいつの関ヶ原」「俺とおまえの夏の陣」

 

お察しのとおり「※」はオンラインで観たものです。

 

いやまぁ、この状況下で観れたものがあるだけ幸せかな、うん。

自ら傷を抉りに行きますが記録として「観に行くはずだった」作品も書き出します。

 

3月:十二夜(中止で観れなかった2公演)

4月:ミュージカル『薄桜鬼 真改』相馬主計

    舞台「デュラララ!!」~円首方足の章~

5月:極上文學 第15弾 『桜の森の満開の下』~罪~

    舞台「インディゴの夜

   『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2- *
6月:ミュージカル『EDGES-エッジズ-』

*ヒプステは8月にリスケして上演決定したね

 

いや、全然観れてないわ

よし2020年の歴史改変をしよう(歴史修正主義者)

 

正直何も考えずに楽しめたの1月の刀ステくらいで、2月の「27」から雲行きが怪しくなって、3月は楽しみにしていた現場だったのに緊張で純粋に楽しむのが厳しかった。「やれる??大丈夫??」みたいな気持ちと常に隣り合わせでした。

それにプラスして演劇やエンタメに対する世間からの冷たい言葉に勝手に傷ついて一人でしんどくなっていたこともあり、3月、4月はかなりつらかったのが正直なところです(若白髪が増えたのもちょうどこの時期 笑)。

 

そんな中、明らかに自分のターニングポイントになったなと思うのは、#Shows at Homeで「民衆の歌」がアップされた時でした。聴いていてボロボロと涙が出てきて、そこで気持ちが楽になったというか、とにかく「あ、落ち込んでても仕方ないな」って思えるようになったというか…。歌声だけでこんなに勇気をもらえるんだ、すごいなと改めて音楽やミュージカルの力を感じた瞬間でもありました。

 

それからは現場に行けない日々が続くものの、リモート演劇を観たり過去の円盤を見直したり、無料配信してくれている作品を観たりという日々でした。

途中で推しが配信をやってくれて元気にしている姿が直接見れたのも良かったな。
SNSがまめなタイプで毎日丁寧にツイートなりブログなりアップしてくれているので生存確認はできているものの、生配信で元気にしている姿を見ることができるのはやっぱり安心しますね。

前に配信に対して“いや私、大して推しのプライベートには興味ないんだな”とか言っていたものの、思い返せば我々を元気づけるような言葉をかけてくれる推しが本当に癒やしだったし「優しい人だなぁ、大好きだなぁ」と改めて思いました(唐突なノロケ)。

普段なら週末の観劇を楽しみに仕事を頑張っていたのに、楽しみがないまま仕事だけ頑張らなくちゃいけない時期が続いていたから正直推しの配信に救われた!!

 

最近徐々に再開の兆しが見えてきて、すでに7月・8月とチケットを手にしてはいるのですが、「複数公演に申し込むモチベーションが落ちているな」というのを感じています。

待ちに待った現場なのにね。
配信よりも「生が一番」であることは知っているはずなのにね。

やっぱりまだ完全に安心できるような状況ではないから、極力劇場に行く機会を最小限にして、現地1回+配信にしようかなという気持ちになっている自分がいます。

前だったら「とりあえず1公演は確保した、さぁ次はどこ確保しようかな」って躍起になっていたのに、今回は「まぁ1公演取れたからこれで良いかな」って気持ちになっちゃうの。

おそらくいくつか配信で観てきて「配信で観ても大丈夫だな」というのが自分の中でできたからなのかもしれません。
そんな気持ちもまた劇場に通うようになれば「やっぱ何度でも劇場で観たいわ!!」ってなるのかな。そうなれたら良いな…。

 

でも、「大丈夫な配信」と「そうでない配信」があって、これについては今度まとめて書こうと思っているのですが、とりあえず言いたいのは【配信機材の良し悪しは如実に集中力に影響する】ということと【自宅で保てる集中力は長くて1時間】ということ。
あとフルリモート(演者が誰も空間を共有せずにいるパターン)と、距離を保ちながらも同じ空間で芝居をするのは結構差が出るなということ。

観客も演者も初めてのことだから違和感を覚えているだけかもしれないけれど、少なくとも私は演者同士がちゃんと空間を共有して芝居をしているものの方が「あ、良いな」と感じることが多いように思いました。

 

しばらくは客席50%以下(+配信)または無観客配信という上演形態になると思うし、演者同士のリスクもあるだろうから朗読劇が中心になったり一人芝居をしたり演出上でも色々変更が出てくるのだろうと思います。

「元通り」を望んではいるけれど、そうも言っていられないのなら上手く折り合いをつけて順応してできるものを楽しむしかない。

何度も言うけど「生で観るのが一番」なのは自分の中で変わらずある気持ちです。でもこういう状況下だからこそ配信も積極的に活用していきたいなと思いました。

別に慈善事業じゃないしクオリティが保証されなさそうだなぁとか、これにこの金額はちょっとなぁと思うものに対して無理してお金を出すつもりは毛頭ないのですが、それでも今回の件で業界が受けた損失は莫大だと思います。今必死で生き残り方を探っているものに対しては私も積極的に取り入れて少しでも応援できたらいいな、と思うのでした!

【2.5次元舞台へようこそ ミュージカル『テニスの王子様』から『刀剣乱舞』へ】を読んで

自粛期間に持て余した時間のほとんどを配信や円盤再生に費やしていたのですが、色々なクラファンが立ち上がる中で改めてこのジャンル・業界のことが知りたいなと思い読んだのがこの本。
(あ、これは収益構造とかが書かれている本ではないです。)

 

www.seikaisha.co.jp

 

2.5次元舞台については、テニミュ1st不動峰戦の映像を友人が貸してくれた時から見知っていて、そこから「2.5次元」と呼ばれる舞台を初めて観に行ったのが「ミュージカル 黒執事」でした。

詳しくはこちらの回顧録をご参照ください。

 

hitoiro.hatenablog.com

 
てなわけで早速この本を読んだのですが、これまでの「2.5次元ジャンル」を体系的に分かりやすくまとめられていて、入門書としてはぴったりだなと思いました。
特定ジャンルしか観に行かない人には2.5次元ジャンルを代表するような作品を横断的に勉強できるのもグッドポイント。

そして「聞いたことはあるけれどまだ踏み出せていない」という人に対しては、2.5次元ジャンルの作品にどういった魅力や特長があるのか、最初に観るのにおすすめの作品まで記載されているので導入にちょうど良いと思います。

さらにこの本には作品作りに携わるプロデューサー、演出家、役者などの過去のインタビューから抜粋した内容も盛り込まれており、作り手側から見た2.5次元ジャンルについても知ることが出来ます。

(ちなみに私は過去買い逃していた「ユリイカ」や「美術手帖」の2.5次元特集も、この本をきっかけに買いました。)

 

個人的に刀ミュ中国公演の遠征記が非常に興味深く…(笑)
海外遠征をしたことがない人間なので、その行動力の凄さというか、オタク同士の情報網の強さというか…同じ趣味を持つ者たちの結束ってすごく心強いんだなと感心しながら読んでしまいました。

 

そして著者であるおーちようこさんが「おわりに」の項目で以下のように述べています。

新しい観客を劇場に呼び、経済的貢献を生み、才能を見い出しながら、よりいっそう拡大、研鑽されていく――2.5次元舞台は、変化し続ける「実験場」だと思います。

 

自分はそこまでたくさんの2.5次元作品を観たことがあるわけではないのですが、なんとなくこの「実験場」という感覚に共感しました。

 

さて、以下は私個人の所感です。ということを前提に読んでください。

 

2.5次元ジャンルは他の演劇ジャンルからすると「なんかよく分かんないけど若い人がこぞって観に行っているやつ」みたいな印象を持っている方もいるかと思います。たしかに作品数が多ければ多いほどピンもキリもあると思うんです(これはもちろん2.5次元に限らずですが…)。

役者も若手が中心になるので成長過程を見守る部分もなきにしもあらずなのですが、それでも今まで演劇を観に行かなかった、劇場に行く機会がなかった人をこれだけ惹きつけ大きなコンテンツとなってきたことは、演劇業界にとってもかなりインパクトのあることだと思っています。

 

ちなみに2.5次元ジャンルに関してはぴあ総研が2018年に市場調査をしておりまして…

corporate.pia.jp

公表されているデータをもとに、素人ながらこんなグラフを作ってみました。
スペースの都合上すべてを書くことが出来なかったのですが、人気シリーズ作品の初演上演年もグラフの中に入れて「あー、あの頃かー」というのが分かりやすいようにしてみましたよ!

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上演されるタイトル数も年々増えているのですが、とにかく伸び方がすごい。

まぁ、制作側が「需要あり」と見込んで次から次へと乱立させてるという捉え方が出来なくもないけども…。

※ちなみにこの調査における2.5次元ジャンルには宝塚歌劇新橋演舞場大阪松竹座といった大劇場で上演された作品も含まれています。

 

最近では上演作品数が増え、連日満員御礼の人気作品については大千秋楽にライブ配信(ライブビューイング)を導入するといった動きも出てきています。

業界のことは何も知らない私の個人的な考えなのですが、この「配信(ライブビューイング)」というのが2.5次元ジャンルの発展にプラスの影響を与えているのでは?と。

チケット代が映画に比べてかなり高い演劇業界ですが、若い世代を中心に人気がある2.5次元ジャンルにおいては、現地よりも比較的安価で、お試し感覚に近い状態で見ることが出来る環境があることが大きいのでは?と考えています。
(あと遠方に住んでいる人も東京や大阪といった大都市圏に出なくても映画館で観る機会を得られるのも大きいかな?)

映像化されない演劇作品も数多くある中で、2.5次元ジャンルの作品は「映像配信」や「DVD化」に比較的積極的な印象。無料配信や定額サイトでの配信等、気軽に触れられることで「観劇に対する間口を広げた」のではないかと思っています。
(そして映像化されていると既存ファンも新規ファンに対して「布教」しやすい。これがとにかく大きい。知人との貸し借りもしやすい。)

余談ですが、その点で言うとK-POPがフルMVをYouTubeで公開、音楽番組の映像も番組の公式アカウントが公開することで世界規模での人気を掴んだのとなんか構造的に近しいものを感じます。

※だから無料でどんどん配信していきましょうって話でもないですが。

チケット代の捻出が難しい若年層が画面で観ていたものに興味を持って、「次は劇場で生のお芝居を観てみたい」と思えるような、未来のファンをつくるきっかけづくりが上手くいっているパターンが、この2.5次元ジャンルにおける市場規模の拡大なのではないだろうか…と思っています。

 

動画配信といえばテニミュニコニコ動画で話題になったことについて。これは当時の状況を含め賛否が分かれるかと思いますが、プロデューサー片岡さんのこんなインタビューがあります。
「(無断転載について)公式はどう思っているんだろう」と思っていたので、この話は大変貴重でした。(※決して無断転載を推奨するという話ではない)

www.j-cast.com

 

ちなみに「ライブビューイングっていつ頃から導入しているんだろう?」と思ったらこんな記事がありました。

tvfan.kyodo.co.jp

以下、記事の一部を抜き出します。

そもそもライブ・ビューイングは、映画館のデジタル化に伴って広がったマーケットです。それ以前は、フィルムで撮影した作品しか上映できませんでしたが、デジタルプロジェクターやサーバーが普及したこと、SDからHDのハイビジョンに変わったことで、いわゆるビデオで撮影した映像が上映できるようになりました。それが、ライブ・ビューイングがスタートしたきっかけでもあります。

2009年のミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)が中継を行ったのが最初だと思います。テニミュが中継を続けたことで2.5Dファンの方にも認知されるようになりました。

 

これを読むと、技術的に可能になったタイミングと2.5次元舞台の人気がタイミングよく合致した結果なのかもしれませんね。そしてこのインタビューの中にも記載されているとおり「2次元の世界で楽しめるものが原作となっているので、映像で見る違和感が少ない」というのが、2.5次元ジャンルがライブビューイングを積極的に取り入れることができる理由の1つなのかもしれません。

「じゃあ2.5次元以外の作品はライブビューイングに不向きなのか」と言われると、私はそうでもないと思うのですが、これはおそらく自分が映像で観ることに慣れすぎているせいもあるかもしれません。

 

 

そしてこれに少し関連して、実は先日このようなことがSNS上でありました。

ddnavi.com

これはミュージカル刀剣乱舞(刀ミュ)の過去上演作品を10日間毎日1作品を無料で配信するといった公式企画で初めて刀ミュを観た艦これファンのお兄さん・お姉さんが、あれよあれよと言う間に刀ミュの面白さにハマり、刀剣乱舞ファンからおすすめされた劇場版作品を有志で視聴することに。

それがまさかのファンによる「非公式同時上映会」となり、関連ハッシュタグTwitterの日本トレンド1位になった…という、まぁ「こんなことある!?」という展開でした。

実は記事になったあとにも続きがあり、今度は舞台 刀剣乱舞(刀ステ)が7日間毎日1作品を無料配信する企画を実施。前述の艦これファンのお兄さん・お姉さんも引き続き鑑賞をして、公式企画が終了した8日目も配信対象外だった最新作を自主的に購入し、「非公式同時上映会」を行うという流れになりました。

もちろん艦これファンの方だけでなく、これまで刀ミュ・刀ステを観たことがなかった人たちも視聴していたのか、関連DVDも品切れするという事態に…。

 

これが2.5次元の映像パッケージ化の強みだと思うんですよね。
公演が終わったあとも収益に繋げられる手段があること、そして無料配信で次回作を現地で観たいなと思うファンを増やすこと。

もちろん原作ありきのジャンルなので、「原作自体の人気」や「そもそも原作に興味があるかどうか」というところも大きいとは思います。

役者に興味があるタイプの人間であれば原作を知らなくてもキャストで観る/観ないの判断をすることもあるでしょう。私がまさにそのタイプです。

ただ、2.5次元については「原作を知っている前提」で物語が展開されていくこともあるし、観る側としても「原作の内容知らないけどついていけるのかな?」といった不安があると思うんです。そういった意味では原作を知らないと「観てみよう」のハードルは他の作品よりも若干高めかもしれないなと思います。

ゆえに既存の原作ファンやマンガ・アニメに馴染みのある層を2.5次元ジャンルに引き込むベクトルは作りやすそうですが、キャストのオタク以外の既存の演劇ファンを2.5次元に持ってくるという方向には矢印が向きづらいジャンルでもあるかもしれません。

 

おそらく「2.5次元ジャンルの壁を取っ払っていきたい」という関係者の言葉には色んなニュアンスが込められているものと思っているのですが、グランドミュージカルのような大きな演目として世間に受け入れられるようになる時には、きっと「原作は知らないけど面白そうだから観てみたいな」という動きが出来ている状態なんだろうな、と素人ながら思うのでした!

 

そういう意味では新しいことをたくさんやってきた2.5次元ジャンルは、まだまだ新しいことが生まれてくるのではないかとワクワクしています。
おーちようこさんが言うところの「実験場」ってやつですね。

巷で噂の「シアターコンプレックス」も実際にローンチした時にどんなコンテンツで、どういった展開がされるのかはまだ分かりませんが、新しい風を吹かせてくれるのかなとちょっと期待している自分もいます。色々悩んでクラファンはしなかったけどなー!!!!

 

と、まぁ私は「ビジネスモデル」に関する内容を中心に書いたわけですが、2.5次元ジャンルがこれだけ魅力的なのはキャラクターの再現だったり、演出だったり、色んな要素があるかと思います。

本書ではそういった「役者がどうやってキャラクターに近づけているのか」「世界観を表現するために試行錯誤された演出」という部分もしっかり書かれているので、気になる方はお手にとってはいかがでしょうか!

 

おわり!

 

感想などはこちらにでもどうぞ

marshmallow-qa.com

自粛中の推し事

みなさんお元気ですか!お元気じゃないですね!!!

もう2020年を頭からやり直せば良いんじゃなかろうか…観たかった作品全然観れてないよ…。現場に着ていく気満々で買った服も着られてないよ…。

 

さて、近況報告としてはひたすら毎週末に円盤の消化とか、過去観たやつまた観るとか配信とかって感じで過ごしているので眼精疲労がひどいです。
ずっとノータッチで来た刀ミュもついに観ました。

3月末から在宅勤務をしているので外に出るのは週1の買い出しとチケットの払い戻しをしに行く程度。これまでにないくらい払い戻しを経験していてもう慣れたもんですよ…ぴえん。

 

最近ありがたいことに色んなところが過去作を配信してくださっているのですが、実はちょっと情報過多になって疲れてきた感もあります。

普段「気になってたけど観れなかったなぁ」という劇団や作品に対して気軽に手が出せたのは良かったことだなとは思うけれど…。

それでもやっぱり目の前にないことによる緊張感のなさとか、家の中の生活音とか、集中力切らす要因が満載な環境は、なかなか作品に集中出来ず流し見しがちです。

劇場じゃないと私は演劇を観れないのかもしれないなと改めて思いました。


そんな中、1ヶ月ほど前に推しがオンライン朗読劇をやりまして。
デジタル背景に、それぞれ別室から中継している演者の映像が合成されているという、絵面としてはなかなかシュールな状態(笑)
ほらあれです、電波少年みたいな感じです(今の子には絶対伝わらない例え方)。

 

いやー、新感覚だった。
映像だからこその演出みたいなのもあって工夫に富んでいるなぁと思いつつも、生で演技をしていることに変わりはないのに劇場で観るのとはやっぱり違って、どうしても埋められない何かを感じてしまったのは確かで…。

ライビュのように劇場でしている芝居を中継するのと、今回のように各カメラの前で生で芝居しているものを配信するのって機材の差はあれ、やっていること自体は多分同じだと思うんです。

それでも自分の中で違和感が拭えないのは「誰も空間を共有していない」ことなのかなと思ったりしています。
でも別件で先日、無観客配信の作品も観たのですが、あれは面白かったしめちゃくちゃのめり込んだんですよね。この違いって何なんだろうと思っているのですが、これは自分の中で噛み砕けたらいつか書きます(という覚書)。


それでもこんな状況下でも推しのお芝居を観ることが出来たのは本当に幸せで、推し自身も「久しぶりにこういうかたちでもお芝居が出来て良かった。早く演劇やりたい。」って言っていて。そもそもこういった状況がイレギュラー中のイレギュラーだというのもあるのですが、推しがそこまで「演劇やりたい!」って気持ちを表に出すとは思わず、ちょっと意外だなと思ったりもしました。

 

ちなみに推し、2回出てるんですけど1回目の方は上に書いたような違和感は拭えずとも、まさかの展開を見せる脚本で視聴しているうちにどんどん引き込まれていってマチソワしたんです。
ただ2回目はSSのコメディ系のお話だったのですが、自分と相性があまり良くなかったのかマチネだけで断念。
SSのコメディとコントの違いって何なんだろうと考えされられた…。


「新しい生活様式」なるものが提言されている中で演劇はダイレクトにその影響を受けるジャンルの1つだと思うんだけど、今後「映像」が主流になるとは言わずとも今までのように劇場を満席にして公演が出来ないとかなった時を想像して少し怖くなりました。

確かにこういった状態になってしまったのであれば上手く「共存」していくために観客側である自分たちも順応していかなくてはいけないのかもしれないと思いつつ…。

シアターコンプレックスの配信の中でも御笠ノ忠次さんが「元あった状態に戻そうと強く思うとしんどくなる」「コロナと同居したらどういった演劇になるのかを考えなくては」といった意味合いのお話をされていたのも、自分のこういった違和感にぶち当たっていることへの解消に繋がるのかなと漠然と考えています。

(そういえばシアコンなんか色々あれだけど私は検討に検討を重ねすぎてまだ手が出せずにいるよ…)

 

そしてもう1つ、この自粛期間中に思ったのは「私、大して推しのプライベートに興味ないんだな」ってこと(笑)

現場なくて寂しいとは思うけど、だからと言って配信してくれたらそれで自分の欲が満たされるのかと思うとそうでもないんだよね。

贅沢言っているのは分かってる!!!でも私はきっと推しが板の上で生き生きして芝居をしている姿が一番好きなんだなと。

芝居の根底にあるであろう推しの考え方とか人生経験とかは普段から興味深いなと思ってはいるものの、なんとなく喋っているものに対しては多分興味をそそられないんだということに気づきました。

まぁそう言いながらもなんだかんだ見てしまうオタクの悲しいサガ。

 

 

あ、あとマシュマロを用意してみました。
眼精疲労におすすめの何かとかあれば教えてください!!!!!笑

marshmallow-qa.com

次回はこの自粛期間中に読んだ本とか刀ミュのお話とか書こうかな…!

おしまい!

お題:推しへのお手紙についての質問

お題「推しへのお手紙についての質問」

 

暇なのでお題やりまーす!!
 

inthebox.hatenablog.jp

でも聞いて!私、やっと去年初めて手紙書いたの!!!!
詳しくは下記のエントリーをご参照ください(笑) 

hitoiro.hatenablog.com

ということを踏まえて読んでいただけると嬉しいです(笑)

 

 

初めての手紙を書くきっかけは何でしたか?

お芝居観て、めちゃくちゃ感動して「うわっ、これちゃんと本人に伝えたい!」って思って初めて書きました(ちなみにこれ、追い始めて1年ぐらい経ってからだった)。

もう1人はその人を追うきっかけになった舞台にカムバックした時に、実に4年ほどの時を経て初めてお手紙を書きました(笑)

手紙を書くのはどんなときですか?

やっぱり上にも書いたとおり「ちゃんと伝えたいなぁ」って思った時です。

推し以外の人に書くことはありますか?それはどんな時ですか?

今のところないです

今まで何通書きましたか?また1年でどのくらい書きますか?

「本当に心の底から伝えたいな」って思う時だけ書いてるので実はまだ1通ずつしか書いてない(笑)

どういう方法で出しますか?

プレボにしか入れたことがないです。

下書きは作成しますか?する場合どのように作成しますか?

めちゃくちゃ下書きします!レポート用紙とか(下手したら何かの裏紙)に下書きしますね。この工程に一番時間かけてるので多分文章を推敲するのに3~4日くらいかかってる気がする(笑)

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だいぶぼやかしたけど雰囲気だけ(笑)
便箋何枚くらい書きますか?また便箋はどのようなものですか?

基本的に3枚程度です。自分があまり長くお手紙を書けないというのもあるのですが、「読みやすい長さ」を意識しています。
日頃文章を読む仕事をしている私は、「たくさんの文章を読む」ことにかなり体力や集中力を使うので、忙しい推しにも「さらっと」読んでほしいなと思い、コンパクトにまとめるように気をつけました。

便箋や封筒、筆記具などへのこだわりはありますか?

プレボに入れたので、その時の作品をイメージしたカラーやデザインの便箋を選んだり、封筒デコる用のシールやマステもそれぞれに用意しました(売り場で1時間くらいウロウロした)。

ちなみに筆記具はこのボールペンがお気に入り(0.7細字の方)。

www.pilot.co.jp

封筒の宛名とかはこっち使います。

www.pentel.co.jp

誤字はどうしてますか?

誤字った時点で書き直しです(誤字絶対許さないマン)

どんなときに文章を考えますか?

公演の翌日とか?時間帯は夜です(昼間に書けるテンションではない)

文章はどうやって組み立てますか?

とにかく最初にざーっと書いて読み直して、流れがおかしいなってところは順序入れ替えてーとかしました。
最初に多めに書いておいて後から「本当に伝えたい部分」だけになるよう削っていきます。

文章の作成において大事にしていることやこだわりは何ですか?

「読みやすさ」と「正確さ」(職業病)
誤字とか脱字とか、そういうのがあるだけで読みづらくなので細心の注意を払っています。
あとは推しが読んでいてどう感じるかというのは大事にして書きます。

手紙の内容はどんな雰囲気ですか?

お手紙は至って真面目で「●●さん」ってちょっと堅い感じかもしれない(笑)失礼があったら嫌だなと…。
勢いでいつも呼んでいる名前で書きそうになることも多々ある。

書かないようにしていることはありますか?

どんなことにおいても相手が嫌な気持ちになるだろうと思うことは書きません。
それとお芝居のことを褒める(?)時も「良かった」じゃなくて、「素敵だった」「感動した」「●●のところが好きだった」という言葉に置き換えます。
これすごく個人的な感覚なんですけど「良かった」ってちょっと上目線みたいに思ってしまって…。
あとは「頑張ってください」は書きません(お題元さんも書いてましたが)。
だって推しはすでに頑張っているから!

ダメ出しなど、何か指摘することはありますか?

しない!なぜならそんなこと言える立場じゃないから!

便箋一枚目の最初に「○○さんへ」「Dear ○○」など書きますか?

「●●様」って書いた気がするな…

手紙では推しを何と呼んでいますか?

先に書いちゃった(笑)「名字+さん」です。

手紙本文の最初で名乗りますか?

これ初めて書く時めちゃくちゃ悩んで、たくさんググって確認したんですよ。
そうしたら「名乗らないのは失礼なので名乗りましょう」ってあったんですけど、何度考えても「いや、なんか読みづらいな」って思って名乗りは書かないということにしました。

手紙本文は敬語ですか?

敬語です。

封筒の宛名で相手の名前や宛先以外に書いていることはありますか?

ないです。

自分の住所は書きますか?

プレボに入れたので書いてないです。
でも今後郵送することがあったら書くかな。

自分に関することを書くことはありますか?

書きます!が量は少なめです(自分語り長いのはうざいだろうなって思って 笑)。
書く時も「●●さんがきっかけで~」みたいに“推しであるあなたのおかげでこうなったよー(ポジティブな内容)”っていうことを書きます。

もし自分が推しの立場だったら自分のアクションをきっかけにしてポジティブな何かがあったって報告は嬉しいなって思うので。

本文最後に自分の名前以外に書いていることはありますか?

手紙出した日の日付(プレボに入れた日の日付)

書き出しや締めに使うお決まりの言葉や文章はありますか?

まだ初回しか書いてないから書き出しは決まっていないです。
むしろ次書く時、どうやって書き出そうか悩んでいるくらい…(皆さんのを参考にさせてもらいたい)。
締めは健康祈願とか公演が無事終えられるように~ってことを書きました(公演期間中に入れたので)。
あとは次に観に行く作品が決まっていたら「●●も楽しみにしています」とかですかね。

取りかかりから完成までどれくらいかかりますか?

初めて書いた時は1週間かかりました(かかりすぎ問題)
4年弱あたためた方は逆にあたため過ぎて2日くらいで書き終わりました(笑)

完成するのは出す日のどれくらい前ですか?

大体当日だよ!!!!!!!笑
(思えば両方ともソワレだったな…)

手紙を書きながら予定していたより文章が増えることはありますか?

ないです。最初に下書きで固めてから書いているので(笑)

清書して便箋などのスペースが思いのほか余ったときはどうしてますか?

これがね、見事にピッタだったので余白出来たことがないんだ(笑)
今度書く時余ったらどうしよう。

下書きや手紙の文章は残しておきますか?またそれを読み返すことはありますか?

残してます。読み返しは、次書く時にでもするかね!

手紙の中に好きという単語はどれくらい出てきますか?

結構何回も出した気がする…。ストレートに書いた方が伝わりやすいかなと。
普段からブログやツイートでもストレートに書くことが多いなって人にはこちらも直球勝負で「好き」をしっかり伝えます(好きのドッジボール)。

手紙を書く上での悩みはありますか?

字が下手!!!!!
まじでボールペン字やろうかな…

手紙を書き続けて変わったことはありますか?

まだそんな書いてないからこれから徐々に書けたら良いなって思っている段階です。

手紙を通して一番伝えたいことは何ですか?

やっぱりストレートに「好き」ってことかな。
※愛の告白ではない

手紙について推しから何か反応を貰ったことはありますか?

ないです!

手紙に関する事件があったら教えてください。

事件ではないけど初めてお手紙を現場に持っていったら同行していた友達に「え??」みたいな感じで驚かれたこと(接触も行かずほぼ推しに対して存在を主張しないタイプだったので)。

あなたにとってお手紙とは何ですか?

忙しいので推しが読んでくれているかは分からないけれど、手紙を書いている時間は推しに真摯に向き合える時間だなと感じました。
気持ちを文字にすることで推しに対する気持ちも深まるというか再確認出来るというか…。
Twitterとか電子の文字で気軽に伝えることが出来る時代に、一文字ずつ手書きで綴る手紙はやっぱり「特別」です。

推しへの手紙について語りたいことがあればご自由にどうぞ。

自分自身、高校時代に演劇をやっていて、卒業する時に後輩や同期からもらった色紙や手紙を今でもとても大切にしているんです。
みんなが私に対して「こういうことしてくれて嬉しかった」とか、「雰囲気が和んだ」とか、「こういうところ尊敬している」とか、とにかくべた褒めしてくれているので(笑)
実は社会人になって落ち込んだり凹んだりしている時も時々引っ張り出して手紙から元気をもらったりしています。

推しは比べ物にならないくらい、たくさんの手紙をもらっているとは思うけれど、もし辛いな、苦しいな、しんどいなって思った時に、何か1つでも自分が贈った言葉が背中を支えることが出来るのなら、嬉しいことこの上ないなって思いながら書いています。

 

 

 

 

でもねー、色々書いたけど結局自己満だなーと思ってしまう部分も否めない!笑

実際読んでもらえているか分からない部分も含め。

そして自分が良かれと思って書いたことが、もしかしたら全然プラスになっていないこともあるかもしれないっていう恐怖も半分抱えているんです。

だって推しのこと、お仕事している部分しか知らないから。

それでも得てして役者は孤独になりやすいと言われているので「あなたからこれだけ大切な感情をもらったよ」「あなたのおかげで頑張れているよ」ということを伝えていきたいと思うから、きっとこれからも手紙を書き続けるんだろなと思います。

幕が上がるということ

「幕が上がること」「週末に劇場へ意気揚々と足を運ぶこと」

このどちらもが当たり前ではない日常がこんなにも辛いものかと、日々感じています。

 

本当はそれぞれ個別に感想文を書こうと思っていたんだけど、一旦今思っていることを綴ろうかなと思い、こうしてまとめて書いています。

 

 

2月から3月にかけて観に行く予定の作品が3作品ありました。

2月のものは今ほど緊張感がある時期ではなく、「出来る限りマスクして観てね」くらいの空気感だったので一応千秋楽まで公演を終えていました。多分他の公演もそんな感じだったのではないでしょうか?

ただ2月下旬から3月中の公演はいずれも「やるか、やらないか」という決断に迫られるほど、状況は悪くなる一方でした。

 

そんな中で片方は対策をした上で予定通り上演、もう一方は対策を講じながらも二度も初日が中止となり、2週間ほど遅らせての開幕となりました。
後者の東京公演は全部で21公演ありましたが上演出来たのはわずか4公演。
それでも諦めずに幕を上げてくださった主催ならびにカンパニー、スタッフの皆様には感謝しかありません。

 

3月に観た公演、どちらもカーテンコールで客席から送られる拍手がいつもより特別なように感じました。

そしてそれを受ける演者さんたちの表情も普段と違うように感じました。

まさしく劇場で全員が1つになってたなぁと。

その空間が泣きたくなるほど愛しくて、やっぱり自分は「演劇」というものが心の底から好きで、これがないと上手く呼吸が出来ないんだなと実感しました。

「全員で完走する」ことの難しさはどの作品においても演者が口を揃えて言うとおり“簡単なことではない”ということを我々も十分知っていますが、「幕が上がる」ということも決して当たり前ではなく、とても奇跡的なことでもあるのだと思い知りました。

 

正直、観る側の自分も不安がなかったわけじゃありません。

本当にこの時期に観に行って良いものなのか、後ろめたい気持ちがなかったわけでもありません。
親にも反対されて「もう一人暮らしする!」って言い出すこともありました(結局一人暮らしせずに済んでいますが…笑)。

多分、主催も演者も観客も関わる誰もが不安だったんじゃないかな。

 

 

このご時世で上演を選んだ団体も中止を選んだ団体も、それぞれ悩みに悩んだ上での決断だったと思います。

劇場での観劇は役者が声を発するだけで大勢の人が声を出すような状態ではありません。しかしどんなに換気をしたとしても1つの空間に様々な人が集まり、一定時間留まるという点においてはリスクが高いと言わざるを得ないのが現状です。

「音楽ライブのように無観客で配信じゃダメなのか」というご意見もごもっともです。実際にその方式を取った公演もありました。

 

もう何が正解なのか分かりません。

エンタメは確かに不要不急かもしれませんし、人命に代えられないのも事実です。

それでもエンタメは「心の栄養」として「身体の健康」を維持するためにも非常に重要な役割を果たしているものでもあると思っています。

だから提供される形はどうであれ、「娯楽なのだから」とないがしろにしてはいけないものだと思っています(これは安易に「公演をやろう」という話ではありません)。

「非常事態だぞ」というのも理解してはいますが、単なる主催者のエゴではなく興行としてビジネスをしているものについて、「自粛」としながらそれが何の補償もないまま半ば強制力を持っている現状も、とても残念に思えてなりません。

「あんな空気の悪い満員電車で仕事行ってるのになぁ…」ってどうしても思ってしまうもの。

 

 

こんな状態ではありますが、少なくとも私は観に行って良かったと思っています。
ネガティブな情報にずっと触れていた分、心が軽くなって楽になりました。
対策も主催側・観客ともに可能な限りを尽くしてやりました。

 

  

推しの舞台、実は元々3回分チケットを持っていて、そのうち2回、最前席だったんですよね。最前は両方とも中止でなくなっちゃったけど。

こんな席運の良さ、後にも先にもないだろうなって思ってたんですけど、もうここまで来ると席の位置とか、最早自分の入る公演とか関係なくて、たとえ1公演であっても推しを舞台の上にあげてほしいという願いしかありませんでした。

そんな時に「あー、やっぱ推しって自分にとってすごく大切な存在なんだなぁ」と改めて思いました。

今回の作品については情報が解禁された時から推しがめちゃくちゃ熱い気持ちを綴っていたし、私自身も「絶対面白いだろうな」って観る前から思っていた作品だったので。

東京千秋楽のカーテンコール、推しがとても温かくて前向きな言葉を向けてくれたのに感極まった私の方が涙してしまって本当に申し訳ねぇ…(笑) 

 

とにかく今は「観る前も観た後も健康でいなくちゃ!」という気持ちしかありません。

具体的にやっているのはこんな感じ。

 

・手洗いうがいをしっかりする(基本中の基本)

・毎朝検温して健康状態をチェック

・こまめに水分を摂る(デスクワークなので10分に1回くらいは水を飲む)

・バランスの良い食生活

・寝る、とにかく寝る(趣味の時間を削ってでも寝る)

・よく笑う(メンタルが悪いと免疫も落ちる)

・ストレッチのような家でも出来る軽い運動を取り入れる

 

ぶっちゃけいまだに混雑した電車に乗って仕事に行かざるをえないという時点でリスクは同じじゃんか…とは思いつつ(笑)上記にプラスして、なるべく満員電車に乗らないようにテレワークも時差出勤も出来ない私は「空いている時間帯の電車に乗るために定時ギリで出社し、帰宅ラッシュを避けるように毎日2時間くらい残業して時間ずらして帰宅」っていうのもやってたりします(別に意図的にずらそうとしなくたって仕事が多すぎて必然的に残業せざるをえない社畜だけどよ…)

 

 


演者を守るのも、作品を守るのも、劇場を守るのも、全て「観客側」だと私は思っています。主催側も出来うる限りの対策を講じてくれていますが、それを観客側が守らなければ何の意味もありません。

そして主催側から言われていることに+α出来るとするならば、「劇場内に滞留しない(公演後は速やかに会場を出る)」「公演前後の場内での会話を控える」だと思っています。

まぁ、私は基本的に一人で観に行くのでいずれもあまりないんだけど。諸々にかかる時間を考えた上でなるべくその場に留まる時間を最小限にすることは意識しました。

 

このご時世で観たかった作品を観ることが出来たことはとても幸せだと感じています。

ただその反面、全貌が見えないこのウイルスについて「本当にこのまま劇場を開けていて良いのか」と懐疑的になる自分がいることも否定出来ません。

でも主催が判断し、(本当はこんなこと言いたくないけど)自己責任の元でしか今はどうにも出来ないのだから、これからも健康に留意して、この現状を乗り越えるしかないのかなと思っています。

(本当は一律の御触を出してちゃんと主催側に救済措置をしてくれるのがベストだと思っている)

 

いつかまた、何の心配もなく皆が劇場に足を運び、演劇を楽しめるようになることを願いながら…。

虚無舞台あれそれ

【虚無(きょむ)】

何も存せず、むなしいこと。空虚。
「―感」。特に、価値のある本質的なものがないこと。
または、万物の根元としての無。

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右下が気になる(笑)

 

観劇オタクの間でよく聞く「虚無」というワード。
なにをもってして「虚無」なのか?

今回はそんな話題をぼやっとした内容で書いていきます。

※あくまで独り言です

 

 

 

 

確かに色々観ていれば「面白い/面白くない」「好き/嫌い」が出てくるし、共感は出来ないけれど理解は出来るというものもあると思うんですよ!

でも、好みではない=虚無 ではないと思うんだよね。すごく感覚的な話なんだけど。

 

そもそも、どういった作品に「虚無」を感じるのか?

  • そもそも役者の芝居が下手(歌唱含む)
  • 低クオリティなビジュアル(ウィッグ、衣装、メイク)
  • 脚本(ストーリー)が支離滅裂、浅い、意味が分からない
  • (原作付きの場合)解釈違い
  • 理解出来ない、矛盾が多い演出
  • なんか分からないけど色々やばい(運営とか)
  • 作品自体は悪くないが客層がやばい

 

大きく分けてこんな感じ?

人によっては 「推し目当てで行ったけど出演時間がほとんどなかった」みたいなのも含まれてくるのかな。

 

そもそも「自分に合う/合わない」「共感出来る/出来ない」はそれぞれに違うので一概には言えないけれど、大体上記のうち複数個当てはまるものが「虚無」になりやすいのではいかと思うんですよ。

共感は出来ないけど理解出来るものに対しては多分あまり虚無を感じないし(まぁ共感出来ない作品だと満足度が落ちるのも確かだけど)、「not for meだな」と思ったものも作品との相性的な話なので「他の人は好きだろうけど自分の好みではなかった」という点ではまだ虚無じゃないと思う。
そして「not for me」でもキャストなり全体の完成度として高ければ「虚無」には成りづらいのでないかな。

 

多分、書いて字のごとく、虚無からは何も生まれない。
(いや、言いたいことは山程生まれるという意味では実は「虚無」でないのかもしれない)

そも、解釈違いは置いておいて箇条書きにしたものが複数も当てはまる作品ってお金を取っていいレベルなのだろうか(反語)。

 

個人的には「物語の世界に没頭できない」ものに対して虚無を感じる。ダイジェストみたいな感じで感情の山場がなかったりね。あと「言いたいことは分かるけど、結局何が言いたいの?」とか。

それと、総じて「チケット代に見合わない(クオリティが低い)」と感じてしまったものとか。

どうしても演劇をやってた側として観てしまうことが多々なので、元々「純粋に作品として楽しむ」っていうのが難しいタイプなんだけど、満足するかどうかってその作品に対して「どれだけ心を動かされたのか」「のめり込めたのか」が1つポイントになっている気がする。

すごく満足して帰ってきた作品って、もちろん登場人物たちの感情を読み取ったり世界観について色々考察したりして頭を働かせながら観ることはあれど、ノイズがないからその世界にどっぷり浸っているがゆえの頭の働かせ方なんだよね。

でも箇条書きしたような要素が少しでもあると作品の世界にのめり込めなくて、イチイチ心のなかでツッコミ入れちゃう。

「え?今それいる??」とか、「え?それありなの??」とか。
 

共感出来るか、理解出来るか、面白いと思うかの物差しは人それぞれなので、みんなが虚無だと言っても自分はそうじゃないってことはもちろんたくさんある。

私自身、過去に「虚無だった」と周りが言っていた作品もそれなりに楽しめたってこともあったし!!!

これはその人自身の好みや理解力や知識量、人生経験、感性といった様々な要因によって感想が変わってくるので本当になんとも言い難い。これ言ったら身も蓋もないんだけど極論、好みは千差万別だから。

でも観た半分以上の人が何かしらマイナスの感情を持ってしまった作品に対しては、興行する側もちょっと考える必要があるのでは?って思うんです。全員とは言わずとも多くのお客様が納得(満足)いく作品を作ってほしいので。

 

よく観劇趣味は「博打」って言われるじゃないですか。
だってそれなりに高いお金を払って、決まった時間に決まった場所に行って、長時間飲み食いなしで拘束されるわりに、幕が上がらないとどんな作品なのかも分からないものが大半なので。
これについては制作側のPRとかでカバー出来るところもあるのでは?とも思う。

それでも我々は「その場でしか体験することが出来ない特別なもの」を感じに劇場に観に行くわけです。

 

これだけ2.5次元舞台が流行って出演する役者にファンがつけば、そのファンも色んな舞台を観に行くことになるわけで、単純にイケメンたちがキラキラしていれば良いなんて、観客側は思わないんですわ。

「推し」きっかけで観に行っているのは確かだけど、推しが見られればそれで良いっていうのはもう半ば作品に対して諦めているからであって、本来であれば作品ごと楽しみたいわけですよ。あれ?私だけかな?笑
中身のないもの見せられたらそりゃ「え?舐めてんの?」ってなるよね。

そして公演が始まっても席が埋まらないのは「PR不足」または「作品としての評価」として制作側に受け取ってほしい*1
通えないオタクですまんが自分が面白いと思えない作品に対してリピチケ買うほど生活に余裕があるわけではないんだ!!こんなファンでごめんね!もちろん面白くて都合がつけばリピします!!
個人的な理想としては、前売り時点での券売はまずまずでも開幕後からリピチケや口コミで当日引き換えとかで捌けてほしいかな。それは「観てみたい」という気持ちの現われであり、作品として評価されてるってことだと思うので。
 

そんなことをつらつらと書きながら、幸いにも自分のストライクゾーンが広いせいか?「無理、観るのしんどい」ってなった作品って今のところ指折り数える程度*2なんだけど、一概に自分に合わなかったものを「虚無」と切り捨てることよりも、なぜそう感じたのか客観的に観てどういう作品なのかという視点を忘れずにいたいなとは思っている。

そして「どう思ったのか」というところをもとに「良かったところ」も「納得できなかったところ」も1つの感想として世に放っても良いんじゃないかなと。
そんなことを言いつつもビビリだからふせったーに逃げちゃう私。

 

推しの目に入るかもしれない状態でマイナスなものを放ちたくないという葛藤もある。
そもそも推しのせいで虚無になってんじゃない、脚本・演出*3が原因なんじゃない?ってこともある。
でも推しが本気で作品に向き合っているのであれば、観る側も本気で向き合っていきたい。

そう思ってしまうんだなぁ…。
もちろん推しの手紙には良かった部分しか書かないけど。

 

ちなみに私の場合、舞台作品で重視するのは脚本なので好みの脚本家の人の舞台はどんな前情報がなくても大体満足して帰って来る。圧倒的信頼度。

そしてそこにたどり着くためには虚無の舞台もそうでない舞台も「場数を踏む」ことがやっぱり必要なんだと思う。

そういう意味では虚無舞台は必要なのかもしれない(ぶっとんだ結論)。

 

そんな中身のない話でした。

 

余談なんだけど満足出来ない作品だった時、その要因がキャストにあるのか、脚本(演出)にあるのかって問題は難しいと思う。

どれだけ脚本が良くても表現するのは役者だから、役者がそれを上手く出来ていなかったら観客側はストレスになるし、どれだけキャストが熱演していても脚本がうーんってやつとか演出がうーんってやつは話が全然ストンと入ってこない。

やっぱり満足度の高い作品は総合的に見てレベルが高いものってことなのかなぁとぼんやり考える。

*1:もちろん演者の集客力問題もあるけど一旦置いておく

*2:多分「not for me」で処理している作品が多いせい

*3:いつも矢面に立たせていますがプロデューサーがダメな場合もある