Reading♥Stage「百合と薔薇」

Reading♥Stage「百合と薔薇」 薔薇編 6/11&6/14公演@品川プリンスホテル クラブeX

 

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「ヘブンズ・レコード~青空篇~」以来の朗読劇。

“BLモノ(同性恋愛)”と聞いて、普段あまりそういったジャンルを嗜まない自分は果たして大丈夫なんだろうか…でも推し出るし…ということで色々不安はあったものの蓋を開けてみたら

8〜9割コメディ!!!

 

いや、とっても良く笑いました…。
しばらくこんなに笑ってなかったんだなって思うくらい笑いました…。

朗読劇という名の“立ち稽古”のような感じで、とにかく動く
めちゃくちゃ動く

ちょっと新感覚な朗読劇。

今回、演出を担当されたのが「TRICK」とか「20世紀少年」の演出や監督を担当された堤幸彦さんなんですけど映像演出が面白くてな〜!!
役者は普通に芝居してるのにさらっと映像演出で笑わせてくるのずるい(笑)

以下、本文はしれっとネタバレを含みます。

 

 

 

ストーリー・配役

<ストーリー>
天野ヒカルと柴崎アキラは若手外科医。
中堅看護師の五所川原シノブとともに同じ病院で勤務している。
アキラは密かにヒカルに想いを寄せているが、相手が“同性”であるがゆえに言い出せずにいた。

ある日、ヒカルは「君、口堅い?」とアキラを飲みに誘った帰り道、
泥酔したアキラを介抱しているところユウキに出会う。
ユウキは数々の女優と浮名を流している今、注目の俳優だった。

そんなユウキから突然「僕とキスしてくれませんか?」と言われるヒカル。
その時、3人に車が突っ込みヒカルとユウキは入院することに。

入院を通して徐々に距離を縮める3人。
気づけば腹を割って話せるような間柄になっていた。

「UFOを見たことがある!」と言っていたオカルト好きなヒカルの退院祝いに、自分たちでUFO見せようと画策するアキラとユウキ。
そしてアキラはユウキの後押しで勇気を振り絞ってヒカル先生に告白しようとするが…。

<配役(敬称略)>
・天野ヒカル(11日公演:崎山つばさ、14日公演:染谷俊之)
・柴崎アキラ(11日公演:前山剛久、14日公演:佐奈宏紀)
・夏目ユウキ(11日公演:中尾暢樹、14日公演:富園力也)
五所川原シノブ(なだぎ武)
・ツバサ(なだぎ武)

 

感想

同性同士の恋をテーマに誰しもが共感し、応援したくなるようなピュアな恋心を描いたオリジナル作品です。」という宣伝文どおりとってもピュア!!!


確かに同性愛というテーマだし、芸能人の恋愛とか、色々含むものはあったんだろうけど、それを思わせないサラっとピュアな感じ。
お話の都合上、軽いキスシーンもあるんですけどなんか邪な目で見ることすら罪かのようなピュアさです。
っていうか邪な目で見ることさえも忘れると思う。わりと自然すぎて(笑)

がっつり絡みがあるわけでも、色っぽい感じになるわけでもなく、想像の斜め上を行く内容だったので、人によっては「え?」ってなるかもしれないかな。
でも私は逆にあのさらっと感だったからこそあまり重くならず見れたのかなって思う。

多くの方が感想で書いてるんだけど「コメディ」作品であっても、決して「同性愛」を茶化すことはなくて、最後少しホロリと来る展開もあり、緩急ついてバランスが良いなって思いました!
でも泣かせた後にすぐ笑わせられてリアル「こういうとき、どんな顔すればいいのかわからないの」状態(笑)

 

個人的に「口堅い?」のくだり、前半はギャグ※なんだけど、後半の重要なシーンでは別の意味を持つのが本当に好き。
ああいう台詞まわし、ときめいてしまう…!
そしてヒカル先生の包容力というかすべてを受け入れた上でのあのセリフがずるい。

(※言いふらさないという意味での「口が堅い」という言葉を、「唇が柔らかいかどうか」っていう言葉と勘違いしてたってくだり)

それと最期のお別れのシーン、とても切ないのに「またな」って笑顔で言い合う姿が、「バイバイ」でもなく「行くな」でもなく、「またな」っていう言葉の優しいこと…!!!

あとアキラ先生が「Me too!」っていうセリフあるんだけど、あれ「#Me too」とかけてるのかね(笑)「2,000万貯めるぞ~」とか「闇営業」とか時事ネタだったり役者ネタだったり色々ぶっこんできてるのも面白かったです。

個別の面白かったところ

役者のパーソナルなところネタにしたところが多かったのでそこがやっぱりツボ。

前ちゃん

「刀剣が乱舞してる~」となだぎさんからネタを振られる
※数日後に隣のホールで前ちゃんが出る刀ステが始まるため
「実家金持ちなんで!」
※これ脚本だったんだけどリアル実家金持ちな前ちゃんが言うだけですごい破壊力www
「私もD-BOYSに入りた~~~~い!!」となだぎさんに叫ばれる
※前ちゃんと中尾くんはD-BOYS

染さん

「今日から始まった刀剣乱舞が気になるでしょ?」となだぎさんからネタを振られる
※初演の際に刀剣乱舞に出演していた。頑なに「気にならない!知らない!」と言い続ける
「弱虫なペダルね」となだぎさんにネタを振られる
※過去の出演作。「何年前ですかwwww」と素になる染さん(ちなみに5年前だそうですよ)
「海外から帰ってきたばっかで~!」となだぎさんにネタを振られる
※前日まで海外で撮影だった
「私もプリキュアになりた~~~~い!!」となだぎさんに叫ばれる
プリキュア史上初の男の子のプリキュア役をやった染さん。「なんでもできる!なんでもなれる!」

 

11日組と14日組の違い

やっぱり演者によって雰囲気が違ったので個人的に感じたキャラの違いを書き出してみました。

<ヒカル先生>
崎山くん
→優しい。丁寧。シャキッとしてる時とヘタレてる時のギャップがすごい。
 アキラ先生とは相棒感。

染さん
→クールofクール。「仕事はきっちりやります。でも他とはあまりプライベートで関わらないです」感が出てる。
 アキラ先生とは先輩後輩感(これは演者の年齢差が大きいからかも)

 

<アキラ先生>
前ちゃん
→可愛い&あざとい。「ヒカル先生大好き!!!」を全面に出してくる。可愛い。

佐奈くん
→お調子者&ワンコ!地味にアピールはしてるけどそこまでグイグイは行かない感?

 

<ユウキ>
中尾くん
→爽やか。やや弱さを感じるけど男らしい。
 どんどんアキラ先生に惹かれていってるんだろうなって感じがよく出てる。

富園くん
→儚げ。可愛い。
 アキラ先生に惹かれるというより内向的だった性格がどんどん外向きになっていった感じが強い。

 

お芝居のあれそれ

演じる人によって同じ脚本でもこんなに雰囲気が違うんだなって思いました。
組み合わせの化学反応っていうのかな。

朗読劇って基本的に重視するのは「声のお芝居(表現)」になるわけで。
台本を手にしながら読むけれど、そこには個々の感情が存在し、その時、その時、生まれたものをその場で返す。

ある意味、役者のスキルが試されるものでもあるのかなって思います。

全体にコメディだけど、コメディに傾倒しすぎると大事なところで観客の気持ちをぐっと引きつけることはできないし…。

全部を観てないから分からないけれど、そういった意味で11日はすごくバランスが良くて。アドリブ部分も面白かったけれど作品としてしっかり仕上がってるなって印象でした(14日は逆にちょっとコメディに傾倒しちゃって真ん中がおざなりだったかな…)。

あと、フライヤーの順からいくとヒカル先生が主人公になるんだけど、物語の軸はアキラ先生なんだよなぁ。アキラ先生によってヒカル先生が変わるっていう観点なら、ヒカル先生が主人公なんだけど…。

観客は圧倒的に感情移入先がアキラ先生になるので、アキラ先生をやる人がどれだけ引っ張れるかが肝な気がする。そしてアキラ先生との「距離感」を伝えるのがヒカル先生だし、アキラ先生の「魅力」を伝えるのがユウキって感じかな!って思うのでした。

 

“同性愛”を扱う作品として

男女の恋愛と比べ同性同士だと性別の壁がある分、「性」の部分を取っ払って「その人のことが好き!」という純粋な部分が強調されがちなんだけど、もちろん恋愛感情がある分、そこに欲が伴うのは異性間でも同性間でも同じだと思うんだよね。もちろんそういう欲を取り除いた「愛」のカタチもあると思うし。

もっと踏み込んだ話をすると恋愛対象として「男しか好きになれない人」もいれば「男も女も好きになれるけど好きになったのがたまたま男だった」という人もいる。

今回の登場人物たちがどういう人だったのか、そこまで読み込むことはできないけれど、ひたすらに純粋に恋するアキラ先生の姿はとても素敵に見えました。

そしてヒカル先生がユウキからゲイであることを打ち明けられた時も「分からないから肯定も否定もしない。でも自分の気持ちに正直になった夏目さん(ユウキ)を誰も傷つける権利はない」っていう言葉も素敵だった。

みんながこういう考え方になれば傷つく人は減るのかな…。

とにかく出てくる人がみんな優しくて、この「百合と薔薇」という作品はいわゆる「受け」だとか「攻め」だとか、そういう括りで見るものではなくて、一人の男と一人の男が出会い、一人の人間として惹かれていく姿が描かれていたのが良かったんだなと思います。

 

おまけ的な推し語り

前ちゃんの朗読2回目なんだけど、1回目は題材的にもね、しんどい話だったんだけど今回はコメディ調だから楽しく聞けたし、前ちゃんの色んな役の幅が見れたし、「あ、この人こういう朗読でもこういうお芝居ができるんだ」って発見があった!

とにかく前ちゃんがキュート!!!男性に言うのも申し訳ないけど可愛い!可愛さに私の心がやられた!!苦しい!!!
可愛いの分かってるキャラだから

超 あ ざ と い(とってもありがとう)

前ちゃんテンポ取るのが上手いんだよなぁ。歴タメの時も思ったけど。
「この時、このタイミング」っていうセリフ出しを逃さない感じが聞いていて気持ちよかったです!

終盤のシーンもね、前半とのギャップがすごくて胸がギュッとなるような切ないお芝居にこちらもグッと引き込まれました。

終わった後、会場から出る時にまわりがみんな「前ちゃん、すごい」「前ちゃん良かった!」って言ってたのを耳にして私もめっちゃ嬉しかったです!!!!

 

 

ネルケさん、こんな新感覚の朗読劇をありがとう!!!
願わくば、また違うジャンルの朗読劇も待ってます!!!!!