幕が上がるということ

「幕が上がること」「週末に劇場へ意気揚々と足を運ぶこと」

このどちらもが当たり前ではない日常がこんなにも辛いものかと、日々感じています。

 

本当はそれぞれ個別に感想文を書こうと思っていたんだけど、一旦今思っていることを綴ろうかなと思い、こうしてまとめて書いています。

 

 

2月から3月にかけて観に行く予定の作品が3作品ありました。

2月のものは今ほど緊張感がある時期ではなく、「出来る限りマスクして観てね」くらいの空気感だったので一応千秋楽まで公演を終えていました。多分他の公演もそんな感じだったのではないでしょうか?

ただ2月下旬から3月中の公演はいずれも「やるか、やらないか」という決断に迫られるほど、状況は悪くなる一方でした。

 

そんな中で片方は対策をした上で予定通り上演、もう一方は対策を講じながらも二度も初日が中止となり、2週間ほど遅らせての開幕となりました。
後者の東京公演は全部で21公演ありましたが上演出来たのはわずか4公演。
それでも諦めずに幕を上げてくださった主催ならびにカンパニー、スタッフの皆様には感謝しかありません。

 

3月に観た公演、どちらもカーテンコールで客席から送られる拍手がいつもより特別なように感じました。

そしてそれを受ける演者さんたちの表情も普段と違うように感じました。

まさしく劇場で全員が1つになってたなぁと。

その空間が泣きたくなるほど愛しくて、やっぱり自分は「演劇」というものが心の底から好きで、これがないと上手く呼吸が出来ないんだなと実感しました。

「全員で完走する」ことの難しさはどの作品においても演者が口を揃えて言うとおり“簡単なことではない”ということを我々も十分知っていますが、「幕が上がる」ということも決して当たり前ではなく、とても奇跡的なことでもあるのだと思い知りました。

 

正直、観る側の自分も不安がなかったわけじゃありません。

本当にこの時期に観に行って良いものなのか、後ろめたい気持ちがなかったわけでもありません。
親にも反対されて「もう一人暮らしする!」って言い出すこともありました(結局一人暮らしせずに済んでいますが…笑)。

多分、主催も演者も観客も関わる誰もが不安だったんじゃないかな。

 

 

このご時世で上演を選んだ団体も中止を選んだ団体も、それぞれ悩みに悩んだ上での決断だったと思います。

劇場での観劇は役者が声を発するだけで大勢の人が声を出すような状態ではありません。しかしどんなに換気をしたとしても1つの空間に様々な人が集まり、一定時間留まるという点においてはリスクが高いと言わざるを得ないのが現状です。

「音楽ライブのように無観客で配信じゃダメなのか」というご意見もごもっともです。実際にその方式を取った公演もありました。

 

もう何が正解なのか分かりません。

エンタメは確かに不要不急かもしれませんし、人命に代えられないのも事実です。

それでもエンタメは「心の栄養」として「身体の健康」を維持するためにも非常に重要な役割を果たしているものでもあると思っています。

だから提供される形はどうであれ、「娯楽なのだから」とないがしろにしてはいけないものだと思っています(これは安易に「公演をやろう」という話ではありません)。

「非常事態だぞ」というのも理解してはいますが、単なる主催者のエゴではなく興行としてビジネスをしているものについて、「自粛」としながらそれが何の補償もないまま半ば強制力を持っている現状も、とても残念に思えてなりません。

「あんな空気の悪い満員電車で仕事行ってるのになぁ…」ってどうしても思ってしまうもの。

 

 

こんな状態ではありますが、少なくとも私は観に行って良かったと思っています。
ネガティブな情報にずっと触れていた分、心が軽くなって楽になりました。
対策も主催側・観客ともに可能な限りを尽くしてやりました。

 

  

推しの舞台、実は元々3回分チケットを持っていて、そのうち2回、最前席だったんですよね。最前は両方とも中止でなくなっちゃったけど。

こんな席運の良さ、後にも先にもないだろうなって思ってたんですけど、もうここまで来ると席の位置とか、最早自分の入る公演とか関係なくて、たとえ1公演であっても推しを舞台の上にあげてほしいという願いしかありませんでした。

そんな時に「あー、やっぱ推しって自分にとってすごく大切な存在なんだなぁ」と改めて思いました。

今回の作品については情報が解禁された時から推しがめちゃくちゃ熱い気持ちを綴っていたし、私自身も「絶対面白いだろうな」って観る前から思っていた作品だったので。

東京千秋楽のカーテンコール、推しがとても温かくて前向きな言葉を向けてくれたのに感極まった私の方が涙してしまって本当に申し訳ねぇ…(笑) 

 

とにかく今は「観る前も観た後も健康でいなくちゃ!」という気持ちしかありません。

具体的にやっているのはこんな感じ。

 

・手洗いうがいをしっかりする(基本中の基本)

・毎朝検温して健康状態をチェック

・こまめに水分を摂る(デスクワークなので10分に1回くらいは水を飲む)

・バランスの良い食生活

・寝る、とにかく寝る(趣味の時間を削ってでも寝る)

・よく笑う(メンタルが悪いと免疫も落ちる)

・ストレッチのような家でも出来る軽い運動を取り入れる

 

ぶっちゃけいまだに混雑した電車に乗って仕事に行かざるをえないという時点でリスクは同じじゃんか…とは思いつつ(笑)上記にプラスして、なるべく満員電車に乗らないようにテレワークも時差出勤も出来ない私は「空いている時間帯の電車に乗るために定時ギリで出社し、帰宅ラッシュを避けるように毎日2時間くらい残業して時間ずらして帰宅」っていうのもやってたりします(別に意図的にずらそうとしなくたって仕事が多すぎて必然的に残業せざるをえない社畜だけどよ…)

 

 


演者を守るのも、作品を守るのも、劇場を守るのも、全て「観客側」だと私は思っています。主催側も出来うる限りの対策を講じてくれていますが、それを観客側が守らなければ何の意味もありません。

そして主催側から言われていることに+α出来るとするならば、「劇場内に滞留しない(公演後は速やかに会場を出る)」「公演前後の場内での会話を控える」だと思っています。

まぁ、私は基本的に一人で観に行くのでいずれもあまりないんだけど。諸々にかかる時間を考えた上でなるべくその場に留まる時間を最小限にすることは意識しました。

 

このご時世で観たかった作品を観ることが出来たことはとても幸せだと感じています。

ただその反面、全貌が見えないこのウイルスについて「本当にこのまま劇場を開けていて良いのか」と懐疑的になる自分がいることも否定出来ません。

でも主催が判断し、(本当はこんなこと言いたくないけど)自己責任の元でしか今はどうにも出来ないのだから、これからも健康に留意して、この現状を乗り越えるしかないのかなと思っています。

(本当は一律の御触を出してちゃんと主催側に救済措置をしてくれるのがベストだと思っている)

 

いつかまた、何の心配もなく皆が劇場に足を運び、演劇を楽しめるようになることを願いながら…。