バクステ!3rd stage.
バクステ!3rd stage.@赤坂RED/THEATER 8/8 マチネ
4月、「この頃には舞台が観れるようになっていますように」と願いを込めて入金したバクステ!のチケット。
We!プレに入っていまして、納谷くんの出演情報をたまたま目にし、「バクステ」という単語にひかれ、調べたら私好みの内容だったというそれだけの理由でとったチケットでした。
観終わった今、こんなご時世ではありますが本当に、本当に、この作品を観ることができて良かったと思っています。
久々に笑って、ジーンとして、「やっぱり演劇って良いな」と心の底から思えるような作品でした。
とある公演の3日前から本番初日のスタッフルームを描いた本作。
結構舞台用語(比較的分かりやすいもの)が使われているのですが、ちゃんと途中途中で説明を挟んでいるのもすごく良かったです。
そしてテンポの良さたるや!!!久しぶりに「あれ?もう終わっちゃったの??」と2時間弱の舞台が体感1時間ちょっとに感じるくらいでした。
お金をもらってやっているプロの方々とは比べ物にならないのですが、自分自身、高校で演劇をやっていた身としてあの雰囲気とか初日3日前のバタつきとか会話とか、とても懐かしいなぁと思いながら観ていました。
そうです、仕込みのしわ寄せは大体照明に来るんです(シュートが終わらない)
(役者志望で演劇部に入り、オーディションに落ちて最初に任された仕事が照明で、卒業する頃にはすっかり裏方が好きになっていた人間です。人数が少なかったので制作も兼任していました 笑)
個人的に蓄光テープのくだりで、予め蓄光テープを切ったものをシート上に用意しておいたものが出てきて「うわああああ懐かしい!!!!本番近くになるとひたすら量産した蓄光!!!!!」ってなりました(ツッコミどころはそこではない)。
そしてなんと言っても魅力的な登場人物たち!
どの人も非常に魅力的なんですけど私個人としては西ノ園さん演じる舞監の毛利さんが好きで好きで。こういう人のもとでお仕事がしたいなって思いました(体質的にお酒が駄目なのであの飲みの文化どうにかならんのか…と思わなくはないですが 笑)。
あと髙橋さん演じる音響助手のミルキーと阿部さん演じる役者の豊。この2人は本当に最後に私の心を掻っ攫っていきましたね(笑)
わりと最後の方まで「こ、こいつ~~~!!!!」って思うようなタイプの子だったんですけど最後にはとても愛しい子たちになっていました。
出てくる全員が本当に愛しい。
そんな登場人物たちが舞台上で生き生きとしているので、どのシーンも印象的でこうして書きながらも「あぁ、あのシーンめっちゃ笑ったなぁ」とか「あのシーン胸アツだったなぁ」とか思うのですが、やっぱり触れなければいけないのは一番最後のシーン。
急逝した恋人を一人で静かに弔う、上坂くんのシーン。
セリフが一言もないのに、納谷くん演じる制作助手の上坂くんの想いが、気持ちのこみ上がりがものすごく伝わってきて心を打たれました。
恋人が急逝して初七日なんて、気持ちの整理も何もついていないと思うんですよ。それでも仕事場ではそんな素振りを見せず初日の幕が上がるまでひたすら目の前の仕事に打ち込んで、ほっと一息ついた時にやっと泣けたのかな。
あの初日祝いで差し入れされたであろう楽屋見舞いの箱の上に彼女から貰ったネクタイをかけて、余ったお弁当を並べてビールあけて向き合っている姿がどこか精進落としのようで、一層切なくなりました。
もうほかにも色々!色々書きたいことはあるんです!あるんですがまとまらんのでもう気になった人はDVD予約してください!!!(なんというダイマ)
あ、あとこの作品、演劇だけじゃなくて「仕事観」にも通じると思うので社会人におすすめしたい作品でもあります。
「お金をもらって仕事をする」ということ、自分も一社会人としてお客様や会社に対してそういった姿勢で仕事出来ているんだろうかって猛省したし、勉強のためだからとお金をもらわず個人的に引き受けたものもあってちょっとギクってなったし…(だからといって現段階でお金を貰おうとは思わないんだけども)。
~舞台裏にも「スタッフ」という、演劇人がいる。~というキャッチコピーのとおり、演劇は観客から見える部分以外にも多くの人が携わっていて、その一人ひとりの力があって公演ができるんですよね。
今は「密」になれませんが、そんな多くの人が携わって「密」になりながら作品を作っていくのが演劇の難しさでもあり、楽しさでもあり、醍醐味だと思っています。
私がまた演劇に携わる時に役者と裏方どっちやりたい?って聞かれたら多分「裏方」って言うんじゃないかな。裏方、楽しいですから。あー、また演劇やりたいなー!!!
これは部活で使ってた用語集の一部
エリスポに「エリー」という愛称をつけていました(笑)