ひといろ

舞台の感想とか推しの話とか

ドラマ感想文:「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」

陳情令ですっかり中国ドラマにハマってしまい、アマプラを物色してた時に見つけた「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」(原題:香蜜沉沉烬如霜/英題:Ashes of Love)。

 

www.amazon.co.jp


www.youtube.com

 

知ってる役者はいないけど評価が高いし、「恋心を封印されたヒロイン」というところが気になり視聴しました。なんと全63話(笑)
休職中にどうしても見終わりたかったので5日間ぶっ通しで見ましたよ…。本当中国のドラマって1作品が鬼のように長いなwww

日本のドラマ基準でいくと15、16ヶ月分(約1年4ヶ月分)を一気見していることになるので、なかなかにヤバい(笑)

 

 

最初の数話は面白いけどテンションについていけないし、主人公の錦覓が共感性羞恥を呼び起こして「いや、これは無理かもしれん…」と思ったものの12話あたりから面白くなってきて一気に63話まで駆け抜けました。
何なんだろう、中国のドラマ、最初の掴みはイマイチなのに途中からバカみたいに面白く感じ始めるあの感じ。

ラストスパートは泣きっぱなしで目が痛かった(笑)

 

 

端的に言うと愛憎渦巻く壮大なファンタジー三角関係ドラマ。 

日本版主題歌がつくなら絶対藤田麻衣子さんが担当すると思っています。

 

<多分こんな人におすすめ>

・切ない恋愛ストーリーが好きな人
・現代劇よりファンタジー系の世界観が好きな人
・忍耐力が強い人(展開的な意味で)
・時間が有り余っている人(視聴し続けるという意味で)

 

個人的満足度 ★★★★☆(4.5)
→物語の根幹にケチつけてもしょうがないんだけど、どうしても「お、オマエええええ!」ってなったシーンがあったので4.5です(笑)別に嫌いじゃないけど。
 錦覓のキャラは結構好き嫌いが分かれると思う。苦手な人は苦手だと思うので、それが受け入れられるかが肝かな。

 

 

旭鳳も潤玉もベクトルが違いながらもそれぞれ良い男(でもあり悪い男でもある)だと思っているので、ぜひ視聴した方には「旭鳳」派か「潤玉」派か教えてほしいですね。

ちなみにキャラ名が日本版だと錦覓(きんべき)、旭鳳(きょくほう)、潤玉(じゅんぎょく)という日本語読みになってるんだけど、中国語読みだと錦覓(ジンミー)、旭鳳(シューフォン)、潤玉(ルンユー)になるので耳が良い人は若干混乱します。

思うんだけどわざわざ人名を日本語読みにしなくて良いよね?
中国語の発音って日本語のカタカナで表現するには難しい音とかあるけれど、無理に日本語読みするくらいならカナで中国語読みを振ってくれれば良いよ…と思ってしまう。

あと中国語と日本語字幕の違いでキュンポイントを挙げるとするなら、潤玉が「觅儿って呼んで良い?」って錦覓に聞くシーンね!!!!
あれ日本語字幕だと「(これまで錦覓殿って呼んでいたけど)錦覓って呼んで良い?」ってただ単に呼び捨てにして良いかと聞いている風に見えるんだけど、「-儿(ér)」という呼び方は親密な人(特に年下)に対して使う呼び方だそうで、あの時、実はかなり距離感を縮めて来たということになるわけですよ…ww
他に呼んでるのはお父さんと月下仙人くらいだもんね。

参照:【中国人の名前 vol.5】代表的なあだ名の付け方を紹介 | courage-blog

 

 

最初は大変失礼ながら旭鳳役の鄧倫(ダン・ルン)さんのお顔は私好みではなかったんだけど、旭鳳を好きになるほどカッコよく見えてきてしまって最終的には「なんて色っぽい男なんだ…」と思っちゃいました。まったく同い年だと思えん…。

とにかく錦覓見つめる目のお芝居が本当に良い!!!多分韓国ドラマ好きな人は好きなタイプの役者さんだと思いますよ。

まぁ、私は終始、潤玉役の羅雲熙(ロー・イゥンシ)*1さんのお顔の良さに目が釘付けでしたがね。
自分の面食い度合いに若干引いてしまうけれど、顔の良い人は男女ともに癒やしです。

あ、女性陣なら鎏英役の陳鈺琪(チェン・ユーチー)さんが素敵でした。
役柄的にも恋人には愛嬌がありつつ、自分の意思を強くもって戦う公主というのが私が大好きな女性像です!!!

 

ちなみに中国ドラマは基本的に吹き替えがデフォルトなんですが、この作品では錦覓、旭鳳、潤玉の3人は役者本人の声だそうです!!!
それを知らずに見てたから「潤玉の声が本当に優しくて好きだなぁ、でも別人の声なんだろうなぁ」と思ってたらまさかの!!ご本人!!
顔も優しげで声もあんなに柔らかい素敵なお声なんて…!!!(そっと天に向かって手を合わせる)

 

 

 

さて、ここから先はネタバレを含む感想文です。

 

 

 

天后がどこまでも憎らしいんだけども、何においても「天帝*2がクソ、以上!」というところに帰結してしまう(笑)

お前が色々やらかしたせいだ!!!!!

 

でも色々報われないことも多い中、親世代と違って子世代が同じ過ちを繰り返さなかったことが唯一の救いだったと私は思いました。先天帝のように潤玉や旭鳳がむやみやたらに手出して子供作らなくて良かった…(言い方)。

特に潤玉はあの状況でよく手篭めにしなかったなと。歪んだけど錦覓を愛していたんだなと思うよね。ま、監禁はしたけど(笑)

 

過ちを犯したのは潤玉自身だし、わりと序盤から強かに錦覓との事を運んでいたので食えないヤツではあるんだけど、錦覓と旭鳳がラブラブしてた時に潤玉がどれだけ苦しみ、1人膝を抱えて悲しみに耐えていたのかを知っている一視聴者としては本当に潤玉が可哀想。「お、お前たち、今潤玉がどういう状態か知ってるか!?外でそんなことしてるんじゃないよ!!!!」ってなぜか私が焦っていた。
潤玉、鄺露と幸せになれば良かったのにな…。

 

一見、錦覓の行動って身勝手だし潤玉の気持ち何も考えてないじゃん!って思うところはたくさんあるし、見ている時は「ああああ!!!錦覓!!」っていつも思ってたんだけど、今思い返すとあそこで旭鳳への気持ちを曲げなかったからこそ、なのかなとも思ったりしています(婚約するしないのすったもんだはありましたけど)。まぁ、魔界に行ってからの展開は旭鳳次第の部分も大きかったとは思う。 

 

そもそも、旭鳳は錦覓の気持ちが自分にあるから相思相愛だよねって勘違いしてたところから始まるので、恋心が封じられていると言えども振り回される旭鳳も可哀想ではあった(笑)

潤玉は錦覓が恋心を封じる隕丹を飲まされているとは序盤では知らないものの、錦覓の「好き」はすべて一律の感情であって、男女の情に至っていないことは多分察していたんだよね(なのに、外野に対して「私たち相愛なんです」って言っちゃうのもやばい)。

しかも旭鳳の気持ちも知っている上に錦覓が水神の子供(=自分の許嫁)であると知りながら知らないふりをして「許嫁がいながら錦覓を愛してしまった」と水神に言って自分の印象を固め、錦覓の本当の正体について話してる時も「これは一体どういうことなんだ?」としれっと宣うシーンは、余りにも狡猾で震えてしまった(笑)

旭鳳が錦覓に贈った簪についても「お前が落とした簪を錦覓が拾った」などと言うのだから最早恐怖でしかない。大人しくて綺麗なお顔をしている人の深謀遠慮の姿、こええええ。 

なのに旭鳳みたいに序盤でグイグイ行かなかったところが敗因なのでは…?と若干思っております、私。
旭鳳が断りなしにキスしまくるせい(語弊)もあるんだけど、潤玉はそこらへんの押しがちょっと弱かったよね。まぁ、彼の性格上そんなこと出来なかったんだろうし決して旭鳳のやり方を褒めるわけじゃないけど、押したもん勝ちではあった気がする。

 

なーんて、ここまでわりとズタボロに潤玉のことを言っていますが、後半は錦覓が自分の一部を削ってまで金丹を飲ませて生き返らせたことを知らないとはいえ、旭鳳の態度が見るに耐えず「もう潤玉で良くない??」とまで思ってしまう私もいた(笑)

ぶっちゃけさ、傷ついた時に優しくされたら潤玉みたいな人に惹かれません??私なんてコロッといってしまうわ(とても素直な感想)。

潤玉だって命半分削って錦覓助けたしな!!!錦覓はまずそこ感謝すべきだな!!!!! それは潤玉の愛だよ!!!!!!

 

陳情令でも江澄が好きなあたりお察しいただきたいのですが幸が薄い報われない男が好きです。

陳情令見終わった後、ひたすら江澄の幸せを願ったんですけど、今は潤玉の幸せを心の底から願ってるよおおおおお!!!!!!!!

 

 

 

そんな色々と殺伐とする作中の癒しは月下仙人と縁機仙子のやり取り、暮辞&鎏英カップルでした。
旭鳳、錦覓、潤玉、穂禾がゴタゴタしている時、唯一暮辞と鎏英はブレずにいたので、先の展開は決して良いとは言えなくても二人のシーンが来ると癒やされました。結構押せ押せでアプローチする鎏英が可愛い。

 

あと恋愛面で見ると、この作品の中での善良な人は鄺露と廉晁、彦佑です。 
本当、この3人の相手を想う気持ちを作中の人物たちはみんな学んでほしい。

 

 

個人的には人間界への歴刧編が一番好きでしたね。メリバだけど旭鳳と錦覓のラブ度高いしめっちゃ泣けた。
あと歴刧編からの燎原君が本当に良かった。燎原君には生きていてほしかったんだよぉ…。なんで死んでしまったんだ…。

 

Twitterでのつぶやきまとめは以下をご覧ください。

霜花の姫 感想ツイートセルフまとめ - min.t (ミント)

 

*1:「レオ・ロー」ってお名前の方が一般的なんだろうか…?

*2:旭鳳と潤玉のパッパ