U-NEXTで配信中の「家族の名において」(原題:以家人之名、英題:Go Ahead)見ました!全40話、面白すぎて約1週間で完走!!
本作は血の繋がらない家族の約20年を描くファミリードラマ。2020年に中国で放送され、今年10月には韓国でのリメイク版「組み立て式家族(邦題)」の放送が決まった作品です。
画像引用:Weibo公式アカウント
※ただし過酷な環境にいたことがある人は視聴注意
個人的満足度★★★★★(4.7)
こんな妹に優しいお兄ちゃんが欲しい人生でした←一人っ子
幅広い年代の人が楽しめる作品だと思うのですが、高校生が見るのと30代・50代の人が見るのとでは感じ方や各登場人物の見え方が変わるんじゃないかな。
中国と日本だと文化も異なるので「いやそうはならんやろ」とか「いやその考え方はどうなん?」みたいな部分もあると言えばあるのですが、それでも東アジアにおける「家族」「人生」に対する考え方や在り方について共感できる部分も多いはず。
コメディーとシリアスのバランスも良く、中だるみもないのでテンポ良く見ることができます(個人的にはあと3話くらいあったらもう少し丁寧に描ける部分もあったのでは?と思いつつ)。
あと現代劇ゆえに日常生活で使う言葉を学ぶという意味でも中国語学習者におすすめ。
血の繋がらないイケメン兄2人と妹と来れば、まあ最終的にはどちらかとの恋愛要素があるんだろうな、禁断の●●系?みたいに思われる方もいると思うのですが、この作品の描きたいところってそこじゃなくて、「家族」なんですよね。
幼い頃に母を亡くした李尖尖(リー・ジェンジェン)、そしてそれぞれの理由で母親がおらずトラウマを抱える凌霄(リン・シャオ)と賀子秋(ハー・ズーチウ)。
それぞれの家族のかたちや在り方についてが丁寧に描かれており、涙なくしては見れない作品です。
そして、この作品のもう1つのポイント。それは「大人になる(成長)」ということが、どういうことであるかを語っている点だと私は思います。
作中で「大人になるのは一瞬だ、その瞬間が分かるのは自分だけ。日々の暮らしの重みを感じ始めたら、その瞬間から大人になる。」と凌霄が言っているんですね。
法律上、18歳になれば成人とみなされるけれど、それぞれが「あ、自分大人になった」あるいは「大人になってしまった」と思う瞬間って、あるじゃないですか。
それをここまで的確に表現できる言葉があるんだと、胸に来るものがありました。
「重み」とは、自分で自分の人生に責任を持つことかもしれないし、誰かの人生を背負う覚悟をした瞬間かもしれない。はたまた妥協を覚えることかもしれないし、誰かを受け入れ赦した瞬間かもしれない。
そう考えると法律上、成人して十数年の私は大人になっているのだろうかと思わず己を顧みました。
毎度中国ドラマ見るたびにOP・EDですでにネタバレしてるしオチが分かっちゃうんだよなーと思いつつ、以下ネタバレ感想です。視聴前の方はご注意ください。
いやさ、最終的にはきれいに収まって良かったねなんだけど、あまりにも凌霄が可哀想すぎて辛かった。子秋も比較にならないくらい可哀想だし傷ついたけど、凌霄の境遇があまりにも過酷すぎて私のSAN値ゼロになりかけた。本当、凌霄生きてただけで偉い。
視聴者としては凌霄が幼少期から母親にどういう風に扱われて来たのか全部知ってるわけじゃないですか。どんなに母親が「償いたい」「気持ちを改める」と言ったって、それで許されるような過去じゃないと思うんですよマジで。その点で言えばまだ子秋の母親の方が許せる余地があったと思ってしまう私がいました。
でも、どんなに酷い扱いをされても子は母を求めるというか、切っても切れないものがあるのだと、この作品は言いたいのかなって思うくらい、最後まで子どもは母を見捨てないんだよなあああああ。
「愛は呪いだ」と語る作品ってよくあると思うのですが、凌霄と凌霄の母親のパターンはまさにそれだったなと。
そして尖尖の親友である斉明月(チー・ミンユエ)と唐燦(タン・ツァン)も、両親健在で一見「恵まれた家庭」に見えるものの、日本で最近言うところの「毒親」っていうのかな。学生時代から親に縛られてきた生き方を自らの力で切り開こうとしていく姿が描かれています。
これは中国の文化というか、中国社会だからこそ生じた苦しみだったり軋轢のようにも思えるのですが、大なり小なり東アジアの国には似たようなものがあると思うので、日本人でも共感できる部分が結構ある部分なのでは?(ちなみに私はだいぶ親に反抗して生きてきたので、現在進行系で1つも親の思い通りには生きていないタイプです 笑)。
でも、この作品に出てくる親って、かたちは違えどみんな子どものことを想っているんですよね。想っているんだけど、そのベクトルが違ったり、重くなってしまったり、優しさゆえに突き放してしまったり…。
私はまだ誰かの親ではないので残念ながら子を持つ親の気持ちを100%は理解できないし、30過ぎても子ども側の気持ちに共感してしまうんですが、きっと子育てしている人には痛いほど気持ちが分かるシーンがあるのではないかなと思います。
ってあまり重い話をしてもあれなので、尖尖と凌霄の胸キュンシーンの話でもしようじゃないか!!!!!!!!!(本題)
いや~~~~~凌霄、だいぶ攻めるね!
ヒロインに積極的に迫る男の子、大好物です!!
実は第10話で「大人になればずっと一緒だ」って凌霄が言うんですけど、普通大人になったらそれぞれの道を歩むから一緒にいられなくなるのでは?と思ってたんですよ。でもそれってつまりその時から結婚を意識してたってことなのかい????そうなのかい?????
いかんせん家族同然として過ごしてきた姿をたくさん見てきた視聴者側としては、そんな急に恋人っぽいことしてる尖尖と凌霄見たら小っ恥ずかしいわい!どんな目で二人を見れば良いんだYO!なんて思っちゃうんだけど、キス止まりだし、たびたび家族の介入で良い雰囲気がキャンセルされるコメディー調の感じが本当に良い塩梅でした(笑)
それが単なる兄妹の恋愛物語に落ち着かなかったポイントだとも思います。
最終的に結婚するんだろうけど、二人の結婚でストーリーを終わらせなかったのが個人的には正解だと思ったし、いつか番外編で二人の結婚生活描いてほしいなとも思いました!
と言いつつ…冷静に考えて「家族同然の相手に恋愛感情を持てるのか?」って思っちゃうんですよねー。一応凌霄は家族同然として育ってきても常にそばには父親がいたし、居室だって違うから仲の良すぎる幼馴染みたいな関係性で、子秋と違ってちゃんと一人の男性として意識できる隙間があったのかなー、なんて。
日本版の公式サイトには「成長した凌霄と賀子秋は李尖尖への恋心を自覚するようになり―*1」ってあるんだけど、子秋の感情は恋愛感情というよりも、根本は自分の居場所を失いたくないという感情だったんじゃないかなという印象でした(結婚の話をしながらも、尖尖のことも子ども扱いしてたし)。
凌霄は高校生の頃からなんとなく好意を寄せているような描写があったから、尖尖の気持ちは一旦置いておいてもやっぱり最初から子秋と凌霄には明確な差があったんじゃないかなと。だから言うほど三角関係でドキドキって感じではないのに、なんで作品紹介文ではそこを強調したのかなーとちょっとそこは疑問かな。その方が見てくれる人が多くなるかもしれないし、確かに一応結婚話はしているので多少の三角関係(仮)みたいにはなるけども…。
まあ何はともあれ、最終話のラストの1コマが最高なので、それだけで全部帳消しですよ!全家平安!笑口常开!
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