ひといろ

舞台の感想とか推しの話とか

三十路のオタクが思うこと

それでなくても「30」になると、みんなそれぞれ人生が分かれはじめて、それまで楽観的にいられたことさえ、悩みの種になったりする。
これを「クォーターライフ・クライシス」と言って、心理学的にも20代後半~30代にかけて漠然とした不安や焦りにかられる状態になるらしいのです。
特に女性はどうしても出産のことを考えると身体的なタイムリミットがあるから自分の将来と向き合わざるをえないことが多い。

 

かくいう私も、周囲では結婚・出産を経験する人が増え、FacebookInstagramでは子どもの写真や結婚式の写真を多く目にするようになってきました。結婚まで至らずとも恋人やパートナーとの日々を大切に過ごしている人たちも多いですね。

 

なーのに、30にもなって私はと言えば

・独身(恋人さえいない)
・そこそこの給料(バリバリ稼いでるわけでもない、転職したいけど気力がない)
・アイドルのオタク

 

と、世間的に見たら本当にやばいヤツでしかないんだなって最近思うようになったんです。
新卒で入った会社に勤め続けているのでそれなりに仕事では責任あるものを任されているけれど、家庭を持って子育てしている同級生の方が自分より遥かに「大人」に見えるのね。

 

高校生の頃は「大学生にもなればオタク卒業しているかな」って思ってたし、
大学生の頃は「まぁ社会人になればさすがにオタク辞めてるだろ」と思ってたし、
社会人なりたての頃は「まぁ30にもなればぼちぼち結婚してるかもしれないし、オタクなんてやってられないだろう」って思ってたんだよなぁ…

結果、30になって超絶金払いの良いオタクになっているわけですがどうしてこうなった。

 

もしペンサ*1かなんかで推しと話したら「ヌナ*2、僕たちのこと応援してるだけじゃなくてちゃんと将来考えな?」と、口にせずとも推しが心の中で心配しそうな気しかしない(つらい)(もういっそのこと私と結婚してくれんか?)。

 

最近自分が応援しているグループのメンバーが自分より年下なのは百歩、いや一千歩譲って良いとして、ファン層が自分よりも10歳下が平均みたいな感じなので、一緒にオタ活したい人を探したくてもなかなか同年代が見つからないことに直面すると「あぁ、もうオタクとしては潮時なんだろうか…」と感じてしまうことも増えました。これ、思ったよりキますね…。
まぁ、私が青春時代を共に過ごしたグループはファンの年齢層も高いので別に同年代みんながオタクやってないわけではないし、静かに推しを応援していれば良いだけなので別にぼっちだろうがなんだろうが推し活するに変わりないんだけど(年々強化されるぼっち耐性)。


もともと恋人がいてもいなくても楽しく過ごせるし、どちらかと言うと人付き合いで疲れやすいので一人の時間を大切にしがちだし、アプリ使ってまで恋人探そうって気にもならないし(致命的)、数年前まではガンガン働いて稼いでいたけれど一度過労で体調を崩してからはそんなことも出来なくなった。

社会人になってからは社畜かってくらい遅くまで仕事しかしていなくて、少し落ち着いたかなってタイミングでコロナが流行り、今思えばある意味20代後半の大事な時期を失ったのかもしれないなとも思う。でもコロナのことを抜きにしてもこの1~2年はまず健康なメンタルを維持するだけで精一杯、+αで何かしようとか出会いを求めて何か行動を起こそうとかそういうのまったく出来ていないのが正直なところ…。

言い訳がましいと言われればそれまでだけど、そんな自分でも良いと、今が楽しければそれで良いと、そう思う反面、本当にそれで良いのかと悩みは尽きないです。

 

周囲の人からは趣味に全力な私を見て皮肉でもなく純粋に「めっちゃ充実してそう」「多趣味で楽しそう」と言ってくれるけれど、それはね、隣の芝はなんとやらだよ。

でも結婚が真の幸せかと問われると「人の幸不幸」は同じものさしで測ることなんて出来ないのだなぁと両親を遠目に見ながら思うことが多々あるし…。

本来であれば25くらいでこういうことに気づくんだろうなー。結婚していったみんなは自分より先にそういうことに気づいて現実的な行動をしてたんだろうなー。なんて今更ながら思うよね(笑)

 

かと言ってオタクやめられる気は一切しないし縁結びに行くと推しとのご縁ばかり結ばれてチケットの当選率だけが上がっていく… 嬉しいやら悲しいやらだよ…そりゃ推しの現場ばかり行ってたら出会いが出来るわけないんですわ…神様に頼んだら目の前に運命の相手を差し出してもらえるわけではないんですわ…(ど正論)。

 

 

ただ、三十路のオタクが“健全に”オタクをするためには、やっぱり「趣味」とか「日々のモチベのため」だけでは「足りない」のだなとも思うことがあるのはたしか。

というのも今、たまたま韓国や中国のアイドル・俳優に興味を持って韓国語や中国語を勉強しているわけだけど、ただ推しを追いかけてオタクをしているより「語学」という、ある種“実用的”で“達成感”を得られるものを並行して取り組むことによってなんとか世間体というか社会性を保てているような気がしているから。というか、むしろ今後のキャリアに活かせるなら一石二鳥では…?と。

 

今の私はそれで自分のオタク趣味を正当化している感が否めないんだけど、でも案外オタクがオタクのまま30代以上になってしまった時に、オタク趣味を通して何か実用的なものを身につけるのは(ただただ自分のメンタルのためだけど)心の葛藤が生まれた時に有効なのでは?と思うのです。

いずれにしても同じオタ活・推し活をするにしても30代になったらそれまでと同じじゃなくて何かしらアップデートが必要だよなとは思います。そのアップデートは時間の使い方だったり、お金の使い方だったり、推しとの距離感だったり…。


推しを好きなままでも、オタクのままでも良い。ただ今年もまた1つ年を重ねるので年相応の生活にフィットさせていこう、そう思ったのでした。

 

あ、自分の名誉のために言っておくと推し活に全財産注ぎ込むようなことはしてないです。これは10代の頃からずっと変わっていなくて意外とお金まわりは堅実です。

親にも「金遣いが荒そうに見えてそこはしっかりしてるのね」と言われました(笑)

 

*1:ファンサイン会

*2:韓国で年下の男性が年上の女性を呼ぶ時に使用する言葉。日本語にするなら「お姉さん」という意味