学生時代にハマったマンガは、大人になったら楽しめないと思っていたのですが、そんなことはないようで。
逆に大人になったからこそたくさん気付ける部分が増えたなと思いました。
まあ、端的に言うと
まーたハイキュー!!に戻ってきちゃったのよね私(笑)
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たしか一番最初に読み始めたのが大学生の時。
高校生が主人公の作品において大学生の私は厳密にいうと「当事者」といえる年齢でもなかったのだけど、高校生だった時の年齢の方が近いがゆえに、かなり等身大に感じて読んでいたように思います。
そこから色々界隈を渡り歩き、社会人歴も11年目になった今。
転職までの有給休暇を良いことに多忙のうちに見なくなったアニメシリーズの4期をU-NEXTで一気見し、その勢いで劇場版アニメも見終え、続きが気になるからととりあえずゴミ捨て場の決戦以降のコミックスを電子で買い最終巻まで読んでボロ泣きする独身OL爆誕ですよ。
私の人生、さまざまな場面でアニメやマンガといったエンタメに救われ導かれてきたという自信があるのですが、ハイキュー!!ほど自分のメンタルを引き上げてくれた作品はないのではないかなと思います。
もうね、ただのバレーボール漫画じゃないのよ。人生訓なのよ。
ということで今回は改めてハイキュー!!という作品に触れて気付いたことをまとめました。
以降、最終巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。
ちなみに今回の内容は未読の方は想定していない内容なのであしからず。
及川徹という男
社会人になって改めて思ったのは「及川徹ってやばい奴だな」ってことです(もちろん良い意味で)。
彼の「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」というセリフは非常に有名で、このシーンが好きという読者もとても多いと思うのですが、実は私もこのセリフに救われた人間の一人です。
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入社したての頃、同期があっという間に仕事を覚えて成果を出していくなか、自分自身は失敗ばかりを繰り返していた時も、ひたむきに目の前にあることをコツコツとやっていくことを諦めずにいられたのは、この及川さんのセリフが頭の片隅にあったからだろうなと思っています。
そんな及川さんは高校卒業後、まさかの単身アルゼンチンに渡り最終的に帰化してアルゼンチン代表として日本代表選手となった高校時代のライバルたちを倒しに来るわけです。
本当にバレー馬鹿が過ぎる(笑)そして天才嫌いが過ぎる(笑)
日向をはじめとした日本代表の面々も相当のバレー馬鹿だとは思うのですが、作中一番のバレー馬鹿は及川さんなのでは?と思いましたね。
学生時代に読んでいた頃も及川徹という男は一見チャラく見えても相当な努力家であることは理解していたのですが、まさかの進路選択とバレーを続ける情熱に胸を打たれました。
大学に行くと「留学」という選択肢はかなり一般的であまり違和感も覚えないんですけど、高校卒業後に海外しかも日本との直行便なしで乗り継ぎ時間含め最短でも26時間かかるようなアルゼンチンに行く覚悟あります???相当な覚悟ですよ????遠距離恋愛も遠距離すぎてきっついよ????(←)
及川さんは作中一貫として「天才ではない」「天才に挑む者」として描かれていますが、ある種「裏主人公」なんじゃないかなと思ったりします。ハイキュー!!ってずっと「天才とは」って話をしてるじゃないですか。その対極の頂点にいるのが及川徹なんですよ。及川徹という男の凄さを、学生時代の私は全然理解できていなかったなと思います。
作中にあるセリフに
自分は天才とは違うからと嘆き、諦めることより、自分の力はこんなものではないと信じてひたすら真っ直ぐに道をすすんでいくことは、辛く苦しい道であるかもしれないけれど ―原作146話より
というのがあるのですが、及川さんってこの辛さにもずっと向き合っているから強いんですよね。
あとシンプルに及川さんがトップにいる組織で動いてみたいなとも思いましたね。おちゃらけているように見えて、ちゃんとチームを見ていてセッターとして的確にゲームメイクしていくし、主将としてチームをまとめているわけじゃないですか。そんな及川さんが上司だったらどんな感じなんだろうと考える社会人オタク。
黒尾の後輩指導力
木兎もそうなんだけど、ライバルである他校の後輩に対しても面倒見が良すぎる!!!!!!!!
ドハマリしていた当時、ランダムグッズを買うとたいてい黒尾が出てきて「私は黒尾に好かれてるなぁ……」なんて思っていたのですが、本当今になって黒尾の凄さに気づいてしまいました。※なお、大戸屋コラボのビジュアルボード(ランダム)も安定の黒尾さんでした。
彼は本当に「教える」ことに向いているタイプ。その言動から胡散臭い雰囲気を醸し出してしまうんだけど、黒尾のレクチャーがなければツッキーや日向の覚醒はなかったわけじゃないですか。自チームの後輩ならまだしも、ライバルである学校の後輩までコツを教えるなんて器がでかすぎるのよ。高校3年生が持ってるメンタリティではない(笑)
そんな彼の進路は日本バレー協会の競技普及事業部。最終巻で現在の様子と高校時代の横断幕が共に描かれるシーンがあるのですが、黒尾と共に描かれたのは音駒の「繋げ」の横断幕。プレイヤーとしてボールを「繋ぐ」のではなく、裏方としてバレーを「後世に繋いでいく」というところにもっていったのがぐっと来ましたね。ぶっちゃけそこで一番泣いた社会人。
ずっと主力としてプレーしてきた人が「裏方」に回る選択をするって、結構大きな決断だと私は思うんですよね。でもその選択が黒尾っぽくもあり、横断幕を背負うにふさわしい姿で涙が止まらなかったですよ。あと黒尾さんがタイプすぎるので結婚してほしい、切実に。中村悠一の声帯がついてるのがずるい。
木兎のゆるぎないエース力
黒尾と同様、社会人になって組織で働いた経験ができたからこそ「こういう存在の人、身近にほしいな」って強く思うキャラクターが木兎さんでした。
当初は赤葦ありきの動きが多いという印象だったし、賑やかな人だな~身近にいたら多分仲良くなれないタイプだろうな~なんて思ってしまったのですが、エースとして覚醒してからの頼もしさたるや……。
無条件で場を明るくしてくれる人、ここってところでしっかり決めてくれる人ってすごく貴重じゃないですか?木兎さん、一般会社員だったら絶対営業部だよな、なんて思ってます(笑)
組織って上に立つ人によって如何様にも変わると思うんですよね。部下を活かすも殺すも、やっぱり上司次第だなって感じることがあって、ああやって重たい空気もパッと変えてくれる、ピンチな時もしっかり決めてくれる人がいると働くモチベーション上がるだろうなって思います。前職の職場にも欲しかったな木兎さん。
あ、Vリーグ編でひたすら木兎のオタクしてる赤葦めっちゃ可愛かったですね。
北さんの言葉
みんな大好き稲荷崎の主将、北さん。
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「喝采は要らん ちゃんとやんねん」というセリフも「反復・継続・丁寧」を習慣として、本番も練習のように行う北さんらしい言葉で大好きなんですけど、私は
「侑達のような奴」について「理由なく最初から優秀」なんやと思とる奴がたまに居るけど
俺が毎日1から10やっとるところを侑みたいな連中は1から20やっとんねん
或いはより攻撃的な10 密度の高い10
ほんでたまに「1から10やなくAからZやってみたらどんなやろ?おもろいんちゃうか??」って考えたりする奴らやねん ―原作第286話より
っていう「天才論」が好きなんです。
私も人間だから自分にない才能を持っている人を見ると「良いなー自分もあんな風になれたら良いのにな」って思うことがあるのですが、才能がないというよりは、自分より上手い人は自分以上にたくさんの努力を重ねてるんだろうなって思うんですよね。
だから自分が上手くいってない時は「あ、これは頑張りが足りてないんだな」って思ってしまって、それはそれで自分を追い込むことになりやすいんですけど……。
とはいえ同じくらい努力をしたところで同じレベルになれるかというとそうでないところが、この「1から10やなくAからZやってみたらどんなやろ?おもろいんちゃうか??」っていうところであり、「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」ってところなんでしょうね。
っていうか、毎日同じことをルーティンでやることが「心地良い」って言う北さん、すごすぎません??私、毎日違うことやって刺激受けてないと死ぬタイプの人間なので北さんを苛つかせる自信しかありません。
色々すっ飛ばして物事進めようとするたびに私の中の北さんが「毎日やんねん ちゃんとやんねん」って語りかけてくるようになりました(笑)
天才は存在しない、好きこそ物の上手なれ
そんな北さんの名言にも通じるんですけど、結局「好きこそ物の上手なれ」なんじゃないかなって思うんですよね。
かの有名なエジソンも「天才とは1%のひらめきと、99%の汗から成り立つ。」という名言を残していますが、結局天才と呼ばれる人たちは凡人が頑張れずに諦めてしまう領域以上の努力を重ねられる人なんだろうなと思います。
ただ、その「頑張る」は決して強制されてするものでもなく、辛さに耐えながらすることでもないというのがポイントなんですよね。好きなことって頑張るとか頑張らないの領域じゃないと感じることありませんか?
もちろん好きだけど「上手くいかないな」「もっと上手くなりたいな」「しんどいな」って思う日もあるけれど、好きなことだから頑張ることを意識していない。ただただ上手くなりたいから、もしくは楽しいから夢中で練習しているタイプが「天才」に通じるものを持っているんです。
この作品でも日向とか影山、侑、木兎みたいな子たちがそのタイプでしょうね。
かくいう私も天才であったかは分かりませんが歌の練習だけは何時間でも頑張れるくらい夢中になっていた時期がありました。あと語学もそうかな。ダンスも自分がやりたいから始めたけど結局人並み以上には頑張れなくて、「好き」で始めたことの中でも「天才」になりえる素地があるものとないものがあるんだなという実感があります。
たかが部活、されど部活
ハイキュー!!の良さって全員がプロにならないところなんですよね。
高校時代に良いプレーをした人でも案外あっさり違う道選んでいて、リアルで良いなって思います。そういう意味ではやっぱり「たかが部活」なんだろうなって思います。国見ちゃんとかポテンシャルあっただろうにプロにはならず、地元銀行に就職してますからね。
月島が「たかが部活なのになぜそんなに必死になるのか?」と聞いた時に木兎さんは(自分自身が高揚するほどのプレーができた)「”その瞬間”が有るか、無いかだ。」と答えるわけです。
これは確かにハマるきっかけとして「そうだよなぁ」と思うのですが、じゃあバレーを続けなかった子たちは”その瞬間”がなかったのか?と言われるとそうではないと思うのです。
最終話でも変わらずみんなバレーが好きで、バレーで培ってきたものとか仲間とのつながりが卒業後何年も続いているシーンが描かれていて、「たかが部活」が与えてくれたものは大人になっても無駄になっていないよって示してくれているんだろうなって思いました。
バレーの道を歩まなかった登場人物はたくさんいたのですが、Vリーグ編でこれまでゆかりのある登場人物たちが試合に関心を寄せる中、北さんは田んぼ仕事をしている描写だったのがめちゃくちゃ感動しましたね。
バレーとは無縁の生活をしているけれど、治のおにぎりを通じて侑の血肉になっているってことを言いたかったのかな、なんて思ったり……。
このシーンって稲荷崎の「思い出なんかいらん」というスローガンの意味を侑なりに解釈して「ぜんぶここにあんねん 全部!!! 俺の筋肉や!!!!」っていうセリフの次に来てるんですよ。そこからのセリフなしの見開きで広い収穫時の田んぼに佇み微笑みを浮かべる北信介(24)ですよ!!!!!有り金全部古舘先生の口座に振り込ませていただけませんでしょうか!!!!!!
「負けた日」から何を学ぶのか
最終話で「昨日の敗者たち 今日のお前は何者だ?」というシーンがあるのですが、ハイキュー!!の良さって、主人公の学校が優勝するって王道路線じゃなかったところ。そしてみんな「敗者」であったことなんですよね。
どんなに強い人でも負けを経験しない人はいないってことです。
負けは今の力の認識であっても弱さの証明ではない
君たちの何もここで終わらない
これからも何だってできる!!!―第369話より
と、烏野が負けたあとに顧問である武ちゃんがチームに語りかける言葉があるのですが、大人の立場から見てこれ以上に敗退後にかける言葉として至上のものはないんじゃないかって思いました。
そういえばIHで青城に負けたときも「“負け”は弱さの証明ですか?君達にとって“負け”は試練なんじゃないですか?」って言ってましたね武ちゃん。
日向は大事なところで体調を崩して試合を途中退場せざるを得なくなってしまい、チームもベスト8で敗退となってしまった。その結果があったからこそ体調管理を念入りに行うようになったし、2年生・3年生の時の試合結果を経て、より強くなるためにビーチバレーを学ぶためブラジルに渡り、最終的に日本代表選手としてコートに立つところまでたどり着いたわけです。
「結果」を「結果」で終わらせなかった、「悔しい」を「悔しい」のまま終わらせなかったからこその未来であることを描いているのだろうなと思うのですが、自分の弱さに向き合う力も、底から這い上がる力も、こういうところから得られるものなんだろうと思います。
ガチガチの昭和世代の親に育てられた平成初期生まれの人間なので「根性論」をわりと大事にしてしまう節があるのは自覚しているのですが、「何かあった時に折れない心」を持つのは、こういう経験なんじゃないかなと実体験からも非常に共感した描写でした。
正直、転職に伴う有給休暇の消化として、家でひたすらアニメ消化して何やってんだろうな自分、もっと生産性あることやった方が良いんじゃなかろうか?なんて思うこともあったんです。
でも新しい環境に挑む今だからこそ、こうして人生訓とも言えるような言葉とたくさん出会える「ハイキュー!!」という作品と再び出会えて、たくさん吸収できて良かったなと思えます。むしろ転職前の大事な時期だからこそ、バレーを通じて人生で大切なことを思い出させてくれる、教えてくれる「ハイキュー!!」に再び触れる機会が訪れたのかななんて思いました。
あ、ハイキュー!!のキャラで誰と一番結婚したいかは永遠に語れるテーマなので、ぜひ語れる方をお待ちしております。
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