ひといろ

舞台の感想とか推しの話とか

舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪ 『エヴリィBuddy!』」

舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪ 『エヴリィBuddy!』」 @梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 10/13 ソワレ観劇

以下、ネタバレなしのぼやっと感想です。

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ねえええええ本当に推しかっこいいね!!!(今更)


東京の民ですが、「ス○ラボールで観るくらいならドラマシティ行った方が絶対良いじゃん!!!」という思いのもと、大阪まで遠征してきました。

13日に行く予定だったのですが、皆様ご存知のとおり台風の影響がすごくて。
当初13日マチソワで入る予定だったんだけど、「ソワレには間に合え!いや新幹線動かなかったらもうソワレも無理じゃん!!」というほぼ諦め状態の中、日本の鉄道マンのすごさたるや、13日午前5時の時点で新幹線運行するよというアナウンスがあり、推しの舞台にも関わらず適当に服ひっつかんで、必要最低限のものだけ旅行カバンに突っ込んで、すっぴんで家を飛び出しました。
(電車が動いていない区間、車を出してくれた父にも感謝)
(ちゃんと大阪着いてからメイクしたよ)

予定よりも2時間以上遅れて新幹線に乗ったのでマチネには間に合わなかったのですが、無事ソワレを観劇することが出来ました。
そういう意味では本当に思い出深い公演になったなぁと思います。


最近毛利さん作・演の作品に巡り合うことが多くて、REAL⇔FAKE(ドラマ)、GOZEN(舞台)からのエヴリィBuddy!だったのですが、ストーリーとしてはとっても分かりやすかったです(原作未試聴)!逆を言うと分かりやすすぎて途中である程度展開が分かってしまうかもしれない(笑)

でもその中に笑いがあり、ホロリと来るものがあり、本当にバランス良くて、休憩なし2時間もあっという間!!

いかんせん原作未試聴(※うたプリ自体はアニメシリーズ全部見てる)なので、それと比べてどうかというお話が出来ないのですが、何も知らなくても楽しめる内容だったなぁと思います。

レビューも超楽しかった!!!!!!!
植ちゃんも染さんもキラキラしていて、2人の笑顔が本当に印象的でした。

本編でめちゃくちゃ動いてるのに、レビューでもガッツリ踊っててなかなかにハードそうだったけど…。


マスミラの時もレイジーのビジュアルめっちゃハマってるじゃん!って思ったけど、エヴリィBuddy!のレイジもめちゃくちゃハマってた!

ていうか推し、脚が長い。公称173cmなんだけど数字よりも背が高く見えるなと思いました。
回し蹴りするとすごく映えるし、身体能力が高いからジャンプがものすごい高い(さすが元バレーボール部)。階段もひょいひょいっとのぼっていく感じすごい。
刀を振ってることが多いからガンアクションはちょっと新鮮でした。

なんか、よく分からないけど改めてかっこいいなって思ったし、キラキラしてて素敵だなって思ったし、推しててよかった~最高の役者さんだな~って漠然と思いました。

もちろん普段からかっこいいなと思ってはいるけど、いつも以上にかっこよくて思わず終わって友達に発した言葉が「いや、顔がいいわ」でした(笑)

 

そして推し、やはりアドリブに強い!自然すぎてどこが日替わりなのか一瞬分からなくなる(笑)こういうところ、頭の回転が早い人なんだなぁと毎度感心します。
というか今回は全体的にキャストの年齢層も高めで経験豊富なメンツなのでやりとりのレスポンスがスパーンっ!ってきれいなのが観ていて気持ち良かったです。安定感がすごい。

 

本当は色々グサッと来たポイントもあるんだけど、それ書くとネタバレになりそうなのでここに書くのは控えて起きます(笑)

サイオンジの言葉はどれも胸をグサグサ刺すものばかりなのでぜひ注目してほしいですね。とても毛利さんっぽいなぁと思うようなキャラクターだなと(毛利作品初心者)。

 

 


自分は完全に役者のオタクとして観に行ってるんだけど、初代であるシャイニング事務所のアイドルたちを通してこの舞台作品を観に来た人たちが、二代目である役者さんに対して「めっちゃ良かった!」とか「楽しかった!」とかいう感想を見ると、自分のことのように嬉しいなと思います。

これを機に染谷俊之が気になったという人がいたらぜひ、土曜日のあさステ聴いてほしいよ!!!!(ちゃっかり宣伝)

www.joqr.co.jp

 


ちなみに私史上一番トレブロで推しが来なくて、ソロショット自引き1枚とかいう絶望的な状態だったのですが、色んな方と交換いただいて、コンプとまでは現段階でいってませんが、なんとか1枚の状態から脱しました(笑)
ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました!

すごくどうでもいい話なんだけど、レイジの個ブロAがわりと品薄で売り切れてたので東京公演で買う予定の人は早めに確保しておいた方が良いかもね!!!
っていうかみんなBも買ってよ!!!なんでAだけ売り切れるの!!!!笑

 

 


そして今回、台風接近中という中での幕開けだったので開催するかしないかの判断にものすごく悩まれたことだと思います。
お客様を危険な目にあわせてまで来てくれという演者やスタッフは誰ひとりとしていないと思うんです。でも比較的影響が少ないであろう関西での公演だったので、今回実施に踏み込んだのかなと思います。
もちろん遠征予定だった人の中で来れない人はいたと思う。本当は当日その場にいるはずだったであろう空席を見て演者さんも心を痛めていたかもしれません。

でもそういう人たちに向けて払い戻しも対応してくれて、来れる人には全力で良いものを届けるといった強い想いを受け取ったような気がします。
あぁ、これこそ「Show must go on」なんだろうなぁ。

これまでも他の作品が公演中止になっているのを横目に見ていたこともあったのですが、改めて無事に幕が上がること、そして幕が下りることが当たり前ではないということを身をもって知りました。

 

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おそらく日替わりネタであろう、「りくろーおじさんのチーズケーキ」、帰りに買って帰りました(笑)初めて食べたんだけど美味しかったでーす!!!

GOZEN-狂乱の剣-

 

「GOZEN-狂乱の剣-」サンシャイン劇場 9/15 マチネ、9/22 マチネ観劇


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めっちゃ楽しかった~!!!!!(語彙力)

 

東映ムビ×ステという連動企画で、映画(GOZEN-純恋の剣-)とこの舞台(GOZEN-狂乱の剣-)は世界観を共有した作品群となっており、映画はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」、舞台は「ハムレット」をそれぞれベースにしたお話になっています。

なので逆を言うと原典を知っている人はある程度展開が読めてしまうという…。

そんなことを言うと「先が読めてしまって面白くないのでは?」という方もいらっしゃるかと思いますが、安心してください。どっちも最後に“まさかの展開”が待っているので…(笑)

ちなみに劇中で「別れるべきか、別れないべきか」ってセリフがあったんですけど、「to be or not to be」じゃん!!!!!!って分かるくらい原典のセリフを上手くアレンジしてて、そういうところも面白かったです(その後に原典のセリフちゃんと言ってたけど)。

コミカルな芝居のところとか、所々シェイクスピアのセリフ回しっぽく聞こえるところもあって面白かったなぁ。
※日本語訳する人によってセリフのニュアンスが変わるんだけど、高校時代「夏の夜の夢」やった時に「こんな言い回しする!?」っていうようなセリフ回しが多かったからシェイクスピアに対してはそういう印象が強い。

 
ちなみに映画との連動作品ですが舞台は映画を観てなくても分かりやすい構成になっているので、「映画観てないけど大丈夫かな?」という人も気にせず観ることができると思います。
でも映画を観ているとより世界観が分かりやすく、同じキャラクターについても「映画ではこういう感じだったのに…」という違いが楽しめるので観ておくことをおすすめしておきます!特に前山剛久さんが演じている蔵人あたりはそこが顕著かも。
でも舞台だけでも全然OK!(これ言うと今回の企画ガン無視になるのではないか自分よ…笑)

toei-movie-st.com

 

見どころポイントとしては「とにかく殺陣がすごい」

もちろんこれだけじゃないんだけど、“御前試合”のお話ゆえに殺陣のシーンが多いのですが激しいんです。
これ私が劇場最前列で観ていたから尚更かもしれないのですが、本当に迫力があって。

ちなみに東映さん制作の作品なので特撮が好きな人は刺さるかも!という気もします。必殺技とか。

そしてなんと言ってもナレーションが立木文彦さんですから。

 

あと当たり前になりすぎて何も突っ込まなかったけど映像演出もすごかったです!
プロジェクションマッピングとか映像演出ができると舞台の表現幅も広がるなぁと。精巧なセットだけが舞台美術じゃないんだなぁと思わされます。


あと、毛利さんも触れているのですが、映画での演出と舞台での演出って表現方法が違うからそういう部分に注目するのも楽しいかもしれないですね。
映画×舞台って企画コンセプト、個人的に面白いなって思ったので他でもやってほしい…。
っていうかスピンオフでその後話とかめちゃくちゃ観たい。

 

そしてもう1つ嬉しいなと思ったのが、自分が行く舞台が比較的女性比率の高い作品に行くことが多いせいか、今回おそらく若月さんのファンだと思われる男性もたくさん劇場にいらっしゃってたことなんですよね。

中には普段あまり舞台を観ないという方もいらっしゃると思うのですが、そういう方が「舞台、楽しかった」とか他のキャストさんに対して「●●さんがすごかった」って感想つぶやいているのを観るとめっちゃくちゃ嬉しい。

こうして自分の“推し”きっかけで観劇した方が舞台の楽しさとか他のキャストさんの魅力とか、そういうのを知ってもらえる機会が増えるって本当に素敵なことだなって思うんです。

かくいう私も、若月さんのお芝居観るの初めてだったんですけどものすっごい可愛い!!あと声が好き!顔小さいっ!!!肌白い!!!可愛い!!!!ってなりました(笑)
映画のヒロインが大人しめな子だったので、対比で奈奈がハツラツとした子だったのも良かったなぁ。愛する人に対してまっすぐに想いを伝える姿がとても愛らしいなと。
その反面、狂った時の演技が本当に本当にこっちの胸が痛くなるくらいつらくて。まっすぐゆえに、その反動の狂気がすごいなと思いました。


八弥斗役の矢崎さんのことは薄桜鬼で知ってはいたんだけど生でお芝居観るのは初めて。
でも「うわああ(この役は)矢崎さんだな!!」っていうのがすっごく良く分かった。矢崎さんの良いところ全部乗せみたいな感じ!
※もちろんここは、毛利さんも意識して書いてるはず(参照:パンフレット)

 

朝霧役のAKANEさんもめっちゃ素敵だった!!!もうね!!!「女の強さ」を感じる。
戦いの場面においてはわりと男性がメインになりがちなんだけど、「女には女の戦いがある」みたいな、強い女性が好きな私としてはとっても素敵なキャラクターでした。

 

個人的にキャラクターとして非常に魅力的だと思ったのは朝霧と、波岡さん演じる甲斐正でした。悪役なんだけど憎めない人柄というか、本当良いキャラクターなんだ…!!!


そして梅津くん演じる土御門月暗。
刀ステから2回目の梅津くんの役どころはまた“謎の男”(陰陽師)。っていうかビジュアルから強すぎてどんなキャラなんだろうって思ったけどなにこれめっちゃ素敵!
普段お話しする時はふわっとした感じなのに板の上に立つとものすごく良く通る声で堂々とお芝居する姿のギャップたるや…!!良い!!!!
キャラが濃いのもあったけど、なんだろう、久しぶりにお芝居観て痺れました。
我々は完成品を観てるけれど、イチからあのキャラを構築するって大変だろうなと思いつつ、なんの違和感もなくハマってたのがすごいなぁ。初登場シーンのコミカルな演技がツボ。むしろあれが全部持っていった(笑)
あと扇で戦うのすごい。あの衣装とウィッグであんなに激しく動くのすごい。
この作品の梅津くんを観て、観に行く予定がなかった11月にやるサンリオ男子のチケット確保したのはここだけの話。

 

前ちゃん(前山剛久さん)!私はああいうタイプのキャラの前ちゃん好きだなぁって思いました!
前ちゃんの殺陣って刀ステでしか観たことなかったから短刀で戦ってるの観るの新鮮。というか鶯丸は太刀だし、わりと立ち回りが優雅だからあんなに激しく動く前ちゃんを初めて観た。
マスクつけてるのもいいけど、マスクつけてない時の美しさが半端ない。特に横顔。あとマントをひらって手で翻すところが最高にカッコいい!!
映画だと「気持ち悪い(失礼)」っていう印象が強い蔵人なんだけど、舞台だと人間味が強かったし、忠義者なんだなってことがすごく伝わってくるようなキャラクターでした。自分を異形の存在にした根源を探し続けているっていうバックボーンとか、その結果とかが見えてるからだろうけど…。
蔵人についてはぜひ後日談をお願いしたいです!!!!

 

とにもかくにも、見どころがありながら2時間半があっという間に過ぎてしまうくらい濃くて楽しい舞台でした!

 

<ダブルカーテンコールの時の話>
9/15 マチネ 若月さん
「はーやとっ♪」っていうのが矢崎さんの事務所の某先輩の「まーきのっ」を真似てたって話が面白すぎた(笑)
矢崎さん最初「え?え?」みたいな感じで波岡さんも途中まで分かってなくて「え?なに?(小栗)旬のこと??」って反応してたのが面白かった。お腹抱えて笑った!

 

9/22 マチネ 井俣さん
そろそろ勝ちたい。という主張からの「白河三太夫 単騎出陣、会場 ザ・スズナリ」がもう涙出るくらい面白かった。“単騎出陣”で反応した人はみんな同じものを頭に思い浮かべてたのかな?(笑)

 

 

さて、以下はネタバレありです。ネタバレなしで映像を観たい人はバックお願いしますね~。

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推しに初めて手紙を書いた話

ちょっと前の話になりますが、人生で初めて「ファンレター」なるものを書きました。

これまで歴代に「推し」と呼んでいた人が数名いる中でも多分初。
おそらく初。
周りの人たちが書いているのを横目にしながらも書く勇気がなかったんです。

 

昔推してた人にはラジオにメールだしたりFCの掲示板にコメント書いてたくらいでファンレターは出さなかったんじゃないかな。
(もう10年以上前のことで記憶が曖昧)
(出す勇気がなくて本人に宛てたつもりで書いたエアファンレターならきっと山程ある)


いつか書こう

そのうち書こう

でも字が下手くそだからペン習字やってからね(笑)

なんて冗談で友人に言っていたので私が手紙片手に現場に行ったら「え??まじで??」みたいな反応されました(笑)デスヨネー


そんな私がなんで手紙を書こうと思ったのか。

A. 推しのお芝居にめっちゃ感動してちゃんと伝えたいって思ったから


ただこの一言に尽きた。

今までTwitterやらブログやらで色々観劇の感想を流していたので関係者がエゴサしていたら自分のツイートも目に入ってるんだろうなぁなんて思ってたんだけど、やっぱり自分の手で直接本人に向けて言葉を伝えるって大事だなって思って。
(もちろん、アンケートも大事だと思うので制作サイドへ伝えたいことがあればアンケートに書いた方が良いかも)

とにかく何がなんでも「あなたのお芝居にとっても心が動かされたんです」ということを伝えたかった。

 

「このお芝居に心動かされた」「こういう部分が良かった」「こういう部分が励みになっている(好き)」って書くことが変に負担になったりしたら嫌だしって色々思うこともあったけど、私も推しもこの先、何があるか分からないんだからちゃんと自分の言葉は伝えられるうちに伝えたいなって。

正直、こういうのって重いかなぁって思った。

考えすぎかもしれないけれど好意的な言葉でも相手の負担になるんじゃないかって思ったりもした。

でも少なくとも自分は歌ったりお芝居してた時に「良かった部分」を伝えてもらったのはすごく励みになっていたし、それまで辛かったことも「頑張ってよかった」って思えたので、少しでも自分の言葉が届いたら良いなって思って書いてみることにしました。

手紙なんて書きなれてるはずなのに、いざ「書こう!」とした瞬間に「で、どうすれば良いんだっけ?( ゚д゚)」ってポンコツ具合でしたが(笑)

便箋買いに行く時に、どんなデザインが良いかなぁとか、ペンはどれにしようかなって売り場で1時間さまよったりとか(笑)

手紙の内容の下書きを3回ぐらい文章校正したりとか(笑)

1通書くのに1週間かかったし、いざ書こうとするとバカみたいに緊張して手が震えたりとか。

何歳の純情乙女なんだ。

(親にも「そんなに緊張しないと書けないもの?」的なことを言われた。いやめっちゃ緊張しません??私だけ???)


でも、なんかこういうのって良いなって。

もはやラブレター書いてるような緊張具合だったんだけど、推しへの手紙ってある種ラブレターみたいなもんだよね、なんて思いつつ…。

 

今は電子の文字ですぐ伝えられるし、Twitterやっていたらリプで簡単に気持ちを伝えることができる。
でも手紙はそれを書くまでにたくさんの想いがこもっていて、その人にしか伝えられない言葉があって、手紙ならではの良さってあるんじゃないかなと思います。

 

 

それでも最終的に手紙って書く側の自己満みたいなものもあるし、読んでもらえるかも分からないじゃないですか。

正直たくさんお手紙をもらってると思うし、忙しいだろうから全部に目を通してもらうのは難しいだろうなって思うんですけど、でも少しでも自分が感じたこと、思ったことが伝わったら嬉しい。

私自身、へこんだり自信がなくなった時は卒業の時に部活の後輩や同期からもらった手紙とか寄せ書き読んで元気もらったりするんです。
だから推しが辛いと思った時にも自分が伝えた言葉が少しでも背中を押したり、支えたりしていたら良いなという願いをこめて…。

※あくまで自分がそういうタイプなだけであって推しがそうとは限らない

 


だからみんなもお手紙書こう!というお話でした。

(上手くまとまらないこの感じ 笑)



ちなみに参考としてこちらのエントリーを読ませていただきました!
(封筒自作とか高度なことは出来なかったけど 笑)

kansoubn.hatenablog.com

 

「書いてみたいな」って人は他にも色んな人がブログでファンレターの書き方とかまとめているのでそれぞれ参考にしてみると良いと思います!

 

<余談>

たくさん推しに伝えたいことがあったはずなのに、実際に書いたら2枚で収まってしまうくらいにはものすごい簡潔な手紙になったのはここだけの話(笑)

1回書いちゃえばあれほどの緊張感はなくなるかなと思いつつ、1通書くのにものすごい体力と精神力を使ったので次書く予定は未定だよ(成長しろ)

舞台 刀剣乱舞 慈伝 日日の葉よ散るらん

「舞台 刀剣乱舞 慈伝 日日の葉よ散るらん」 6/22 ソワレ
そして東京・大阪・兵庫のアーカイブ配信、東京凱旋(大千秋楽)のライブ配信全部観ました!!(いやー長かったな…笑)


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オープニングからして今までとテイストが違ったから「!?」ってなったけど物語全体を観るとちゃんと「刀ステ」だなって思えた作品でした。

以下、ネタバレもあるので閲覧注意

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<回顧録>私と2.5次元舞台

2.5次元舞台について時々書く私。
改めて「私と2.5次元舞台」の関係について回顧録的なものを書こうかなと思って書き出してみました(完全自分の記録用)。

 



初めて「2.5次元」と呼ばれる舞台について知ったのがミュージカル テニスの王子様(テニミュ)」

それまで私は「2次元大好き!」タイプだったため、ミュージカルでやる意味とか、声優さん以外がキャラを演じる意味が正直分からなかった。

中学時代に友人が「ミュージカル 『テニスの王子様』 in winter 2004-2005
side 不動峰~special match~」のDVDを貸してくれて、興味本位で観たところ自分が想像していたよりもしっかり再現されていたし、役者さんもキャラに寄せようとしていることが伝わったし、何より「熱かった」

某動画サイトでネタにされているのも、まぁ目にする機会はあったんだけど、DVDで本編をしっかり見たら原作をリスペクトしているミュージカルなんだなってことが分かった。

この公演、実は主演の柳浩太郎さんが事故から復帰した時のもので、そんな事情も知らずに見てたんだけど、最後のコメントや役者同士が涙を流している姿を見てとても心を打たれたのを今でもよく覚えている。

ちょうどその頃にD-BOYSが結成されて、彼らが出ている作品や番組はよく見ていた。
美味學院」とか「DD-BOYS」とかがこのタイミングかな。

ただその頃のメインはアニメと声優さんだったのでのめり込むことなく大学生くらいまで時が経つ。

空白期間は私自身、高校演劇をやってたんだけど、無駄にプライドが高くて他人のお芝居を観に行かないあんぽんたんだったのでその話は割愛します(笑)
※他人のお芝居を観て勉強するのはめちゃくちゃ大事です


大学時代、何かのきっかけでテニミュ四天宝寺Bで白石を演じていた佐々木喜英さんを知り、「ミュージカル 黒執事(生執事)」を自主的に観に行くことに。
原作が好きだったことや、「再現度が高い」と初演の評判がすごく良かったので(ある程度のクオリティが保証されてないと手が出せないタイプ)。

結論「めちゃくちゃ面白かった」

確かに再現度が高いし、黒執事あのダークファンタジーな世界観が劇場いっぱいに広がっていて魅了された。あとみんな歌が上手い。
2.5次元作品だとどこか歌のクオリティはそこまででないという印象が強かったけれど、生執事に出ている人たちはみんな上手くて圧倒された。

だがしかし、まだハマらなかった(笑)


その間にたしか城田優さんのミュージカルソング歌うショーに行ったり、中河内雅貴さんが出てた「宝塚BOYS」観に行ったりしてはいたけど、まだハマってはいなかった。(っていうか観に行ってたものが2.5次元じゃないな…笑)
「ミュージカル 薄桜鬼(薄ミュ)」とか「舞台 弱虫ペダル(ペダステ)」については、宣伝動画とかチラ見して存在は知っていたし役者さんについてもなんとなく把握してるけど、ガッツリは観ていなかった。

どこで私の人生を狂わせたのか。

それは社会人になってから「舞台 刀剣乱舞(刀ステ)」の初演を観てからだった。
(実はその間に「ハイパープロジェクション演劇 ハイキュー!!(ハイステ)」も観てたんだけど以下略)

これも原作が好きで、舞台化すると聞いた時は「あんな!!神の領域の刀剣男士(イケメン)を三次元で再現できると!?」って感じだったんだけどビジュアルが解禁された時に、「マジか…本物がいるじゃないですか…」となったのは懐かしい思い出。

特に鶴丸国永をやっていた染谷俊之さんに惹かれてこの沼にずぶずぶっとしました。

染谷俊之、罪深い…。

めっちゃ鶴丸!!!!「あ、鶴丸生きてたらこんな感じなんだろうな」って思った。もちろん鶴丸だけじゃなくて他のキャラクターも原作キャラにものすごく寄せてくれていて感動した。
あと2.5次元って若手のかっこいいお兄さんたちが演じているのもあって、アイドル的なキラキラ感があるものなのかなって思っていた節があったんだけど、刀ステはストーリーも見応えがあって単純に「舞台作品」として楽しめたのも大きかった。

 

そんな感じで「染谷さんの舞台もっと観に行きたい!」と思い、社会人になって金銭的な余裕も出来たことも相まって舞台通いをするようになった。

ちょうど染谷さんが2.5次元からそれ以外の作品にもたくさん出るようになった時期だったから、言うほど染谷さんの2.5次元舞台って行ってないんだけどね(笑)

 

今まで、だれか固定の役者さん目当てで舞台を観にいったことがなく、たいていは題材が好きかどうかとか、知人が出てる舞台に誘われたからって理由で行ってたので、「役者さん目当て」で舞台を観に行くという体験が自分にとってはすごく新鮮だった。

自分が普段触れないような作品でも好きな役者さんきっかけで色んなものが観れて、自分に合うものもあれば合わないものも当然あるけれど、好き嫌いせずに観てみると「あ、こういうのもあるのね」って新しい世界を知ることができた。

あと、1人の役者さんが作品ごとに違った役を演じる姿を見ると「あ、こんな役柄も出来るんだ」とか「こういう役柄意外性があってすごく良い」とか役者さんに対する気づきもあったかな。


役者さんきっかけで2.5次元を観に行く時はやっぱり「原作ありき」だから、原作知らないと行きづらいなって思うこともある。そういうところが「2.5次元舞台の観劇ハードル」でもあるんだけど、私の場合はある程度予習してから行くようにしてる。
(運が良いのか私が好きな役者さんが出る作品は元々自分が知ってる作品だったり好きな作品が多いので予習の必要があまりないんだけど…)



だから「私と2.5次元舞台」という題にしておきながら「2.5次元舞台が好きなのか」と問われるとちょっと疑問符で、あくまで演劇のいちジャンルに「2.5次元があるだけで「2.5次元が特別好き」「2.5次元だから観に行く」ってわけでもないのが、今の私。

それは私自身が小さい頃から舞台とかミュージカルに馴染みがあったからなのかなと思っている。

ただ1つ言えるのは「2次元が至高!3次元(2.5次元)でやる意味が分からん!」っていう感じだった自分が、抵抗なく普通に2.5次元舞台を楽しんで観れるレベルになったってこと。

「✕✕が舞台化するの!?キャストも良さそうだし行ってみようかな」っていう気持ちで2.5次元を気軽に観に行けるようにはなった。

 

自分がそう思えるようになったのも、再現が難しい2次元のキャラクターや世界観を限界まで近づけて表現しようとしてくれる役者さんやスタッフさんのおかげでストレスなく舞台が楽しめたから。そしてその溢れんばかりの熱量で心を動かされた体験があってこそだと思う。

昔、どこかで抱えていた否定的な気持ちが自分の中で変わっていって「2.5次元は2次元を壊すものではないから安心して観れるようになった」というのが大きい。

0から創り上げることはもちろん難しいけれど、ある程度観客側にキャラクターのイメージが付いているものに合わせて創り上げることは、それ以上に難しい部分が多々あるはず。

それでも観た時に「あ、キャラクターが舞台上にいる」と思わせてくれるのは、役者さんの努力の賜物だし、そんな素敵な役者さんや作品に出会えたことが何よりも幸せだなって感じる。

 

ますます盛り上がりを見せる2.5次元舞台がこれから先の未来、どういう状態になっているかは分からないけれど、演劇という大きなジャンルの中でも「2.5次元でしか表現し得ないこと」や「2.5次元だからこそ良い」と言えるものに出会い、2.5次元舞台の可能性を目の当たりにして心を震わす体験が出来たら良いなと思う。

 

ちなみに2.5次元舞台の歴史については電ファミさんのこの記事にめちゃくちゃ詳しく書いてあるので、ぜひ読んでほしい。

news.denfaminicogamer.jp

≪結果発表≫2.5次元舞台に関するアンケート

先日、Twitter上で「2.5次元舞台に関するアンケート」をさせていただきました!
ご協力くださった皆様、ありがとうございました!

今回はその結果発表のまとめです。
(私の力不足により回答サンプル数が少ないので、あくまで「こういう回答結果でした~」という感じでお読みください)

 

調査期間:2019年6月21日~2019年7月1日
回答者数:女性 33名
集計方法:GoogleフォームのURLをTwitter上で拡散し任意回答

 

※あくまで個人の趣味範囲でアンケートを実施したものです。

回答者基本データ

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ツイートに回答フォームのURLを貼って任意で拡散してもらったので、フォロワー属性が影響している可能性大。ゆえに年齢層は20代以上が多めという結果に。
居住地域は大都市圏である関東・近畿が多数派。


2.5次元舞台の観劇経験の有無

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2.5次元舞台の観劇経験の有無ときっかけについて質問したところ回答者の8割が観劇経験ありという結果に。
観に行くきっかけとしてはやはり「原作(アニメ・ゲーム等)が好きだから」が大半を占め、その他「役者さんが好きだったから」「友達に誘われたから」「もともと舞台(演劇)が好きだったから」が少数派でした。
「宣伝などを目にして気になったから」という回答をした人は今回のアンケート結果ではいませんでしたね…。
作品によっては大々的な広告掲出やタイアップ企画等をしていますが、それはあくまで「ファン(観劇したい層)向け」であり、「劇場に足を運んでもらうための宣伝」ではないのかもしれないです。
(そもそもその時点でチケットソールドアウトしてることザラだしな…)

フライヤー等を観て「あ、原作知らないけどこれ気になるから行ってみたいな!」って流れは、原作と切っても切り離せない(むしろ原作をある程度踏襲することが大事)な2.5次元作品ではなかなか難しいのかも…。

 

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2.5次元舞台の魅力」について質問したところ、上位を占めたのは「舞台ならではの演出」と「ビジュアルの再現度」でした。
原作で描かれないストーリーが見れたり、3次元で表現することによってより作品の世界観が広がったり深まったりするのが魅力のようです。
自由回答では「推しが喋って動く」「漫画、ゲームでは見れない画面外での様子が見れる」というご意見も!
f:id:hitoiro260:20190706202910p:plain年間観る作品数としては「1作品」が多数派。自分の好きな原作作品の2.5次元舞台だけを集中して観るという層が一定数いると考えられます(そもそも原作を知らないと行きづらい…)。
中には年30作品観に行くという猛者も!!!

ちなみに、ぴあ総研が2019年7月4日に公開した2.5次元ミュージカル市場に関する調査によると、2018年に上演された作品のタイトル数はなんと「197作品」にものぼり、2000年の調査開始時の「15作品」と比べると爆発的に上演タイトルが増えているようです(どうりで劇場が足りないわけだよ…)。

※このぴあ総研の調査結果はとても興味深かったのでまた別の機会に掘り下げようかな…掘り下げないかもしれないけど(笑)

 

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逆に観たことがない人に「観に行きたいと思わない理由」について質問したところ、「原作が一番だから」という理由が半数以上でした。
2次元のキャラクターを3次元で再現することによって原作の世界観や魅力が広がる一方、元の2次元キャラクターのイメージ(ビジュアル、声優さんのボイスアクト)を崩したくない方もいるってことですね。
逆にこういった人たちが観に行くことがあった時に「どういう風にイメージが変わったか?」っていう心境の変化についても機会があったらヒアリングしてみたいと思いました。

 

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2.5次元舞台を観たことがある」と回答した人に対し、「2.5次元舞台をきっかけに2.5次元以外の舞台を観に行くようになったか」を質問したところ、「はい」と答えたのは意外にも4割という結果に(もっといると思ってた)。

「はい」と答えた人は2.5次元舞台に出演していた役者さんが好きになり、その人が出ている作品を観に行くようになったという人や、「舞台 刀剣乱舞」「舞台 K」の演出・脚本を担当している末満健一さんのシリーズ作品「TRUMPシリーズ」を観に行くという人も。また劇団四季の公演を観に行ったという方もいました。
ちなみに小劇場系行くって書いた人いなかったなぁ…やっぱ敷居が高いのかなぁ…。
まぁ、なかなか2.5次元から小劇場演劇を観に行くきっかけってないもんね。

 

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個人的に気になってたことNo.1が「2.5次元舞台をきっかけで舞台に携わりたいと思った人がどれだけいるか」ということ。
ん~!!!やっぱり少数派!!!!!笑

“観る”のと“やる”のはやっぱり違うんですかね。
舞台観たら「いいなー自分もあの舞台に立ってみたいなぁー」とか思いません??思いませんか…そうですか…。

友人に同じ質問をしたら「観るのは好きだけど自分がやりたいとは思わない。観るだけで十分」とバッサリ言われたので、「自分もやりたい!」って思った人は結構レアケースですよ!!笑
「やってみたい」って興味を持てるのも1つの才能ですって!

 

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ちなみに「やってみたい!」という稀有な方に「どんな仕事をしてみたいか」という質問をしたところやはり「役者」に票が集まっていました(そりゃそうだ)。
意外と裏方にも興味を持っている人もいるみたいですが照明…(´;ω;`)←元照明担当

ちなみに舞台に携わる仕事について書かれた記事で「なるほどな~」と思ったものがあったのでガチで「将来的に舞台に携わりたいです!」という人がいたら参考になるかもしれないです。

joboole.jp

joboole.jp

<余談>

最後に「あなたが他の人におすすめしたい2.5次元舞台について作品名とその理由をご記載ください」という自由解答欄を設けたのですが
みんな刀ミュ(ミュージカル 刀剣乱舞)大好きかよ!!!!!ってくらいおすすめされた(笑)
ありがとな!!!!私、刀ステ(舞台 刀剣乱舞)ばっかりでミュは配信でちょっと観た程度なんだよ…。全力で沼に落とそうとしてくる感じ嫌いじゃない(笑)


もちろん他の作品もたくさんおすすめいただきました、ありがとうございます。
刀ミュ含め、おすすめいただいた作品は余裕が出来た時にちょっと追ってみようと思いますよ!

他におすすめの作品があったら教えてくださいね♪

トルツメの蜃気楼

トルツメの蜃気楼」@ザ・ポケット 6/23 マチネ公演 観劇

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27歳、昔は人前に立つようなお仕事(比喩表現)に憧れ、現在は業務で校正“的”なお仕事をしているリアルな人間が観てきました。  

※あくまで私の仕事は「校正的」なお仕事なので、このブログを読んでも誤脱字してるかもしれないし、「ここの言葉遣いおかしくないですか???」っていうのもあるかもしれないので悪しからず(盛大な予防線)。

以下、さらっとネタバレありです。

 

 

 

あらすじ

「負けてからはじまることだってある」

何者にもなれない私たちの、終わらないための物語。

 

小さな編集プロダクションに勤務する横井ユリ、27歳。

日々、人の書いた文章の誤りを見つける【校閲】を続けている。

 

ある日、いきなり会社の上司から「アイドルにならない?」と誘われる。

個性豊かなメンバーとともに、アイドルフェスへの出演を目指すことに……。

 

ユリは、かつての同級生・アヤに想いを馳せる。

「一緒に来てくれないから、一緒に夢を叶えることにした」

上京してアイドルになった彼女。夢に敗れていなくなった彼女。

微笑みを向けるアヤの幻影は、今日も消えることはない。

 

心が折れても人生は続く。負けてからはじまることだってある。

これは何者にもなれない私たちの、終わらないための物語――。

 

※公式サイトより引用

 

「りさ子のガチ恋♡俳優沼」でくれはさんの作品に触れ、他の作品も観てみたいと思って今回劇場に足を運んだんですが、

なんでくれはさんの作品ってどの人物の気持ちも痛いほど分かっちゃうんでしょうね。

誰もが「正論」を言っているから、どの人の言い分も分かるし、どの人にも感情移入出来るから観ながら心がぐちゃぐちゃになる(笑)

 

演劇って「楽しかった~」とか「(笑えるという意味で)面白かった~」とか、正の感情だけを持って帰るものではなくて、時には「悲しかった」「つらかった」とか負の感情を持って帰ることもあると思うんですよ。

くれはさんの作品を観た後は必ず自分の中で生まれた感情と向き合うことになるし、なんか娯楽として演劇を楽しむだけじゃなくて好き(もちろん娯楽として楽しめる作品が嫌いって意味ではない)。

今回はそんな私がこの作品から「持ち帰ってきた気持ち」とかをつらつら綴っていきます。

 

感想

私、これまで女性だけの舞台ってあまり観に行く機会がなかったんですけど、すごく良かった。みんなパワフル!
しっかり1人ひとりのキャラが立っていて見応えがあったし、同じ女性としてすごく憧れた。みんなかっこいい!
特に芸能プロダクションのプロデューサー役をされていた工藤亜耶さんのお芝居がリアルすぎて観ている私が萎縮してしまった(笑)

 

この作品はある種、「アイドル業界の現実」みたいな部分を描いているのですが、これって別にアイドルに限った話ではなく役者とか歌手とか、とりわけ芸能に携わる人には刺さる作品じゃないかなって思います。
芸能じゃなくても良い、広く言うと「夢を追いかけている人」。

主人公 ユリの同級生・アヤはかつてアイドルを目指して上京したのですが、追い詰められて「負ける」のではなく「逃げる」選択を取りました。この出来事がユリの人生に大きく影響するわけですが、「負ける」「逃げる」の違いってすごく大事なんですよね。

劇中のセリフでも
逃げるとね、何もかもが全部終わっちゃう。でもね、負けただけなら終わらないんだ。
ってくだりがあるんですけど、一生懸命頑張っていることが成就しなかった時、ちゃんと心が折れるって大事なことだと思うんです。

心が折れるって本当にしんどいんですけど、そこから立ち上がってまた一歩を踏み出すための大切な過程なんですよね。
ちゃんと折れないといつまでもずるずる引きずって引き際が分からなくなって、後戻り出来ないところまで行ってしまうことがあるので。

 

ちなみに劇中でアヤを富山に閉じ込めている(ように見える)存在として立山連峰の話も出てきますが、東京生まれ東京育ちの自分は初めて立山連峰を目にした時、めちゃくちゃ感動しました。

逆に私はビル群の方が閉塞感があって嫌いです。

これもやっぱり育った環境の違いかな?

舞台セットもビルにも高く連なる立山連峰にも、学校の窓にも、無数に存在する校閲対象にも、色々な風に捉えることが出来るもので、観る人の目に委ねられる舞台美術が素敵でした。

あとラスト、「これって誤植ですよね?」「赤字入れます。」の流れ。
席が後方だと何て書いてあるか読めないと思うんですけど「トルツメ」って赤入れしてるんですよ。これ最高。本当に最高。
たとえ赤入れしている文字が見えなくても「誤植」と言っている時点でトルツメするって分かるじゃないですか。あの演出が憎い(笑)
※後日くれはさんのTwitterでこの単語がトルツメされてたのを知ってさらに「くっそおおお!!そういうところ!!!」ってなった。

 

校閲(校正)のお仕事のあれそれ

劇中で「表記がゆれてるんです!!」って聞いた時に、「あ~私がいつも言ってるやつぅ~!」と思いました。

表記ゆれってあまり気にしないけど、気にするようになるとひたすら気になる(笑)

 

校閲・校正のお仕事って本当に地味なんですよ。
ひたすら読んで赤入れして、読んで赤入れして…。
でも正確な情報を伝えたり、正しい日本語で伝えるためには必要不可欠なお仕事だし、その表現が本当にOKなのかって色々気になるようになるし、奥深いお仕事だなって思います。
だって普段の生活の中で文脈を考えた上で、「ロープウェイでのぼる」の「のぼる」が「登る」なのか「昇る」なのか、はたまた「上る」なのかってあまり深く考えないでしょ?笑

 

 

確かに劇中で言われているとおり「クリエイティブなお仕事」ではありません。
(読みやすい文章を編み出すという意味ではある種クリエイティブかなとも思いますが…。)

私は元々クリエイティブが好きなタイプなので、このお仕事を続けられるのなんでかなってよく考えるんですけど、文章読むのが苦じゃない、しいていうなら「文章」を書くことが好きなだけ、というところに行き着きました。
ぶっちゃけ本読むのはそんなに好きじゃないです(笑)

だから別に好きじゃなくても適していれば仕事は出来るんですね。

職業選択の自由がある中で、各々が仕事を手にして生活をしています。
自分の“好き”を仕事にする人もいれば、そうじゃない人だってたくさんいます。
でも最終的には「その仕事に自分が適しているか」なのかなとも思ったりするのでした。

でも校正の仕事なんかはいつかAIとかに取って代わるのかなぁ…。

 

隙あらば自分語り

実は私は小学生の頃から声優に憧れていました。声優から派生して舞台役者にも興味を持っていました。
そんなことを思いつつも諸々の事情でその道には進まず、普通に大学で就活して、でも夢を諦めきれず養成所の体験レッスンに行ったりもしたんです。

声優というお仕事は基本的に「どんな年齢でも出来る」と言われます。
確かにチャレンジは出来るし、実際頑張っている人もいます。夢を叶えた人もいます。

でも最近の業界を見ていると昔よりもビジュアルの露出が多いし、特に女性は若いうちが華と言わんばかりのように見える。男性は30過ぎてから売れる人がいるから女性とはまたちょっと違うかもしれないけど。

そんな時、「20をとうに越えた自分がそこにチャレンジしてどうにかなるのか」って思ったんです。
理想と現実に挟まれて自分の心の持って行きどころがなくて苦労した。

憧れの人たちは画面の前でキラキラしている。
それに強く惹かれたし、特に声優というお仕事は声のお芝居であるがゆえに「何にでもなれる」部分がかっこいいと思っていた。

でも、自分にそのキラキラが出せるのか、あるのかって考えた時に急に画面の向こうがものすごく遠く感じたんですね。

 

そんな感じで努力する前に見切りをつけた自分はそもそもスタートラインにさえ立っていなかったんだと今になっては思うのですが、

「何者かになろうとして、何者にもなれない」葛藤って、きっと誰にでも1回は経験があることだと思うんです。

 

でも私は自分が描く夢に見切りをつけて会社員として働いていること、今では後悔していません(たまーに演劇のワークショップとか出てるけど)

というより後悔しないような人生を歩もうとしている最中です。

自分が思い描くとおりにならなかった時にどんな選択をし、そして前を向いて歩けるかが大事。

せめて夢を描いていた自分に恥じぬように生きたいという、自分なりの意地なのかもしれませんけど。

 

自己表現の時代に生きる私たち

今の時代、SNSを通した自己表現が拡がりを見せる中で、「インフルエンサー」みたいな、一般人だけど有名人って人が増えてると思うんですよね。

歌が上手い、おしゃれ、面白い…その人のスキルとかパーソナリティが武器になる時代。

そういうのがとても多く目に入るから「自分ももしかしたら…」と思う人もいるかもしれないし「それに比べて自分なんて…」と思う人もいるかもしれない。

劇中に登場するアルバイトの大学生 川原はいわゆる「インフルエンサー」なんですが、夢を追いかけて頑張るアイドルのアリスやあいりんたちとの対比として存在してるのかなって思いました。

特別な存在じゃないのに特別みたいな。

何かになろうとしてるわけではないのに、注目を集める存在になってるとか。

夢追い人がいる中で特に「有名になりたいんだ!」って思わなくても有名になっちゃう人もいるし、中途半端に有名になっちゃって生きづらい人もいるかもしれない。

手軽に自己表現や情報発信が出来る時代だからこそ、間口が広がる一方でちょっと生きづらい時代でもあるのかもしれないなって思うのでした。

 

大変な世界だからこそ推しを大切にしたい

今回はアイドルの世界のお話だったわけですが、芸能界って多分アイドルじゃなくても似たり寄ったりな部分があると思うんですよね。

キラキラしてる裏では血がにじむほどの努力や悔し涙を流していることも少なくないと思っています。

自分が憧れていた世界で今必死に頑張っている、厳しい世界で頑張っている推しを私はもっと大切にしたいなって、この作品を通して思うことが出来ました。

そこに居続けてくれることへの感謝と、少しでもファンとして背中を押せる言葉があるなら、ちゃんと伝え続けていきたいなって。

絶望の淵に立たされることがないように。

 

  

 

あと、今回の舞台。
携帯の電源を切ることに対する説明が非常に丁寧でとても気持ちよく観ることが出来ました。実際にあのアナウンスがあったから切ったって人もいたしね。

本当に静かな作品でバイブ音しただけで作品の世界から断絶されそうだったので、上演中1回もそういうことがなく、舞台上と客席が一体となった空間で集中して観れたことが良かった!

もっとキャパの大きい会場(劇場)になると難しいかもしれないけど、ぜひ他の作品でも取り入れていってほしいな~。

 

最後に私がアイドルアニメとして一番推してる「少年ハリウッド」のこの曲を貼っておきます。


♪永遠never ever/初代少年ハリウッド【少年ハリウッド24話エンディング】

 

興味があったらこっちの記事もよろしくお願いしま~す

hitoiro.hatenablog.com