妖怪アパートの幽雅な日常
「妖怪アパートの幽雅な日常」@紀伊國屋サザンシアター1/20 昼公演観劇してきました!
原作未読だし、本当に何も前知識なしで行きました(ごめんなさい)
ものすごい華やかさとかはないけれど、観終わった後に心が温かくなる作品だなと思いました。
「普通」「当たり前」ってなんなのかとか、自分が過ごす「日常」について考えさせられる作品だし、元が児童小説だからあの年頃の未熟で不安定な年代の子が「未来に向かって歩みを進めていく」というところもテーマなのかな…原作知らないから断言出来ないけど(なーんて言えちゃう年齢に自分もなちゃったんだなぁとしみじみ…笑)。
自分が夕士の立場だったらどうなってたかなって想像してものすごい胸が苦しくなったし、クリのくだりで夕士が感情を吐露するところ、もうこっちの胸がいっぱいになっちゃった。
そしてこの作品は脇をかためる役者さん方の演技がすごい。
特にクリの母親をやってた人の演技が圧倒的すぎてもう胸が張り裂けそうだった。
2.5の括りかもしれないけど、2.5だと思って観ると「?」となる可能性があると思うなというのが率直な感想かな。
というのは表現の仕方とかがとっても“THE 演劇”だから。色んな演出の工夫があって私は大好きだけど!
個人的に春から夏へ季節が移り変わる時、ダンサーさんが桜の枝を持って踊るんだけど、揺れるたびに花びらが落ちて青葉になっていくんですよ。
その表現の繊細さが「あああああすごいいいい」ってなった!!(細かい)
あとね、舞台美術が超キレイ!
隠れがちだったんだけど窓の装飾とか素敵だったなぁ。
場転が多いの大変そうだったけど、ちゃんとシーンを象徴するものが舞台上にあったから分かりやすかった。
あとさ、あとさ、龍さんの美しさとか優しげな声に思いっきり胸を撃ち抜かれたことをここにご報告しておきます(どうでも良い)
それと貞子っぽい幽霊さんが大変キュートだったので、あんな幽霊だったら一緒に暮らしたいなぁって思いました(笑)
他の人たちも個性豊かで、本当にここで暮らしたら楽しそうって思った!
「普通」じゃないかもしれないけれど、その人たちにとっては「普通」っていうのは、自分たちの日常生活にもあって、それが表立って見えることもあれば、そうでないこともある。
私個人としては大多数の人に共通することを「普通」とするのかな?なんて思ってたけど、そうじゃないんだろうなーとこの作品を観てなんとなく考えるのでした。
物語のラスト、「おかえり」って言う場面があるんですけど、いつも自分が言っている、そして言われている言葉がこんなにも温かいものなんだということを改めて感じました。