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ドラマ感想文:恋なんて、本気でやってどうするの?

2022年春ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」(恋マジ)見ました。
1話 約45分、10話構成。初めて日本のドラマの感想文書きますね。

 

 

放送前から「恋愛や結婚がすべてじゃないという世の中なのに恋愛したことがない女子を“こじらせ”なんて書いて時代錯誤も甚だしい、昭和か!」なーんて言われていたものの、実際あまり恋愛をしていない私のような人間には「どこか共感できるものがあるかな」なんて気持ちで見始め、第一話は「言うほど悪くないのでは…?」なんて思ってたんですけど、なんか4話あたりからリアタイしなくて良いかなと思い始め5話からリアタイせずTVerで空き時間に見るようになり、8話に至っては暇だからとりあえずスマホいじりながらリアタイして以降はもうとりあえずリビングで流してましたって感じです(ここまでノンブレス)

 

一応感想書くからには最後までちゃんと見なきゃなって思ったんですけど、もうなんか見るに耐えなくなってしまって心が折れた。
しかも並行して見てたのが韓国のドラマ「女神降臨」で、こっちのストーリーにキュンキュンしてたから尚更落差がしんどかった。ハン・ソジュンしか勝たん…。

 


何なんだろう、この作品が言いたいことも描きたいことも全部分かるのに!!!分かるのに!!!!
めっちゃイラつく~~~~~~~~~(笑)

 

※これは別に作品自体を批判したいがための記事ではないので悪しからず※
「否」の部分ばかり書いているので説得力皆無ですけど。

 

役者が悪いわけじゃないんです、このドラマ。マジで。どのキャストもそうです。キャストは良かったし演技も良かったし、何ならこちらが純にめちゃくちゃイラついてしまうくらいには広瀬アリスちゃんの演技が上手すぎた!!!
そして柊磨の母親を演じた斉藤由貴さんの演技も素晴らしすぎた!!!!

 


NHKで2022年1月~3月に放送していた「恋せぬふたり」は、今まで何かと「恋愛至上主義」な描写が多かった中で、アロマンティック・アセクシャルと呼ばれる「他人に恋愛感情を感じない」・「性的に惹かれない」人たちを主人公にした物語で、話題になりました。

「恋愛をするのが当たり前」という空気がある中で、それに馴染めない人たちにとっては、とても救いのある内容でしたし多様性を認めるような描かれ方がされていて、まさしく「今の時代」に沿った内容。

局が違うとは言え「恋せぬふたり」の次のクールがこの「恋マジ」放送だったので、まぁ尚更「なんで今の時代にこれ?」ってなった感は否めないんですけどね。

恋マジ、最終回の最後の最後で?ネイルサロンのお姉さんがアセクシャルレズビアン?だと告白するシーン入れてきて、「いや、それいる??そんな伏線1つもなかったよね?私があまりにも片手間に見すぎて見落とした?」と、取ってつけたように感じてしまったのね。

あと公園で愛を叫ばせるのも本当に意味分からん!!本当に壊滅的だったんだ…!!!脚本が…!!!

ちょっと9話を見れないまま最終回行ってしまったので今更見てみたんですけど、9話はちょっと持ち直してたんだなぁ…(ほんのちょっとだけ)。純が上から目線なのが気になるだけで…。最終回のインパクトが強すぎたな…(笑)

 


序盤の「会話があけすけすぎる!下品!」という感想については、まぁ実際それなりの女同士の会話だったらリアルだよな(※そのコミュニティによる)って感じで特段違和感はなく、そこは個人的に問題なかったです。

 

なんだろう、リアルに描きすぎたせいで主人公に共感できないと全部がダメになる感じ。

純、恋愛に不慣れどころかコミュニケーションが苦手なんだろうか。いやでも仕事は一応出来てるしな…。でも「情緒~~~~~!!!!」ってなる。
家庭環境が良くない中で育ったことが大人になっても影響しているがゆえの行動なら辻褄が合うんだけど、そこまでは読み取れなかった…すまん。

柊磨に対してだって「なんで言ってくれなかったの!?」と言ったところで、そりゃ恋人だからって家庭の事情とか働いてる人のこととか全部言うわけないじゃんね…ってなるし。

あと、純。普通に社員で働いてるのにレストラン手伝って大丈夫なんか…??(そこはリアルじゃないのね 笑)

わりと重いテーマを含んでいるわりに群像劇にしちゃったものだから、どこにもあまり深みを持たせられず、全部中途半端で終わったという印象。ちゃんと描き切れれば題材としては化けたかもしれないのにね。

 

本作では大津くんと克巳くんだけが救いでした。
アリサと克巳の恋の行方の方が気になってしまうし、めっちゃ応援してました。あと大津くんは誰よりも幸せになってほしい。たぶん全視聴者がそう思ってる。

 


もはや私自身が「恋愛なんて、本気でやってどうするの?」って諦観するどころか、「恋愛とは…?」みたいな境地なので、そこまでして恋愛に一生懸命になる理由が分からないのもあるんですが(笑)
でも実際は結婚だ未経験だで焦る人が多いのも事実だし、26くらいの頃は私自身、親族・両親・祖母から結婚の話ばかり持ち出されて「うるせー!!!」ってなってたので、少なからず年齢と恋愛経験とか、結婚とか夫婦関係とか悩んでる人が多いと思うのね。
そういう人に寄り添える内容だったなら、少しは共感できたんじゃないかなと、ただただ残念に思うばかり。

 

番組サイトのイントロ、改めて読み返したんですけど

恋愛すらもデジタルで合理的な時代に、
裸の心がぶつかり合う
本気のラブストーリーをお届けします!

ってあって、まぁ確かにぶつかり合ってたけど、ぶつかり合いすぎて最後とっちらかったなという感じですね(最終回を思い浮かべながら)。


色々ツッコミながら見る分には面白いと思います。楽しみ方がちょっと違うと思いますけど。うん。毎週Twitterでのみんなのツッコミ見ることが一番の楽しみでした。

 


あと挿入歌を毎回入れる必要あるのか?って感じする。
せっかく歌詞も雰囲気も良い曲なのに、「今?ここで?」みたいな感じある。
「“ありえない”大喜利してるんとちゃうぞ」みたいな気持ち。

挿入歌はちゃんとシーンと合うからこそ気持ちが高まって感動するのになぁ…。「花より男子」の「プラネタリウム」とか「Flavor Of Life」とかそうでしょ?(その世代です)

SixTONESの曲はめっちゃ良い。ファンの贔屓目なしにめっちゃ良い。なんなら今までのタイトル曲の中で群を抜くくらい好き。
カップリングも最高だから、ぜひこのドラマで曲を気に入った人がいたらCD買ってください。後悔しないんで。そこは保証します。


www.youtube.com

 

これ色々残念なのは「話数が少ないからかな」って最初思ってたんです。日本のドラマあるあるですけど。でも最終回迎えて思ったのはそういう問題じゃないってこと。

 

恋愛ドラマってすごく難しいと思っていて、視聴者各人の恋愛経験だったり価値観に基づくから、100%全員が楽しめるものってないと思うんです。

リアル寄りの恋愛ドラマも嫌いじゃないですよ?でも「リアル」な描写ってその分、視聴者にどれだけ共感してもらえるかが勝負じゃないですか。
今回、それが出来ない登場人物が多すぎたのが原因なんじゃないかと。

 

だからって言うのもなんですけど、夢見てると言われようが多少ファンタジー込みの甘くて切ない恋愛ドラマとか好きなんですよ、私。それか救いがないくらいの悲恋か。

海外のドラマ見てるからって「だから日本のドラマはダメなんだ!」って言う気は全くないのですが、恋愛ドラマについては韓国ドラマの描き方の方が最近自分にあっているのかなという気がします。
※日本に入ってくるドラマが本国でヒットしたものばかりというアドバンテージがあることは一旦置いておくとして!


毎クール全ドラマを見れているわけではないのですが、今の日本のドラマってどこか「リアル」を重視しすぎたせいで恋愛に対して少女漫画のようにトキメク要素が少ないなって感じるんです。
「お前いくつだよ?いい歳してトキメクとか言ってんじゃねー!」とか言われそうですけど。それはそれで、なんかすみません(笑)

でも、少なからず「良いな」って思えるから恋愛に前向きになれると思うので、若者が恋愛しないだのなんだの言うくらいなら良質な恋愛ドラマ作るところからだなって感じはする。
(質の良い恋愛ドラマが放送されてる国の婚姻率が高いなんてデータがあるのかないのかは知らん)

 

ただ「恋愛至上主義」にしないってことだけは、これからの時代のドラマで必要な視点なのは確かだと思うんですよね。トキメク恋愛ドラマを求めていながらアレなんですけど。

ある程度の年齢になって結婚していない人間はどこか欠落している、だとか、結婚しなければいけない、恋人がいなければいけない、恋愛していない人間は不幸みたいなやつ。

きっと今の時代に求められているのは、数年前に話題になったゼクシィの「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」っていう視点なのだなぁと改めて感じました。
ちょうど過渡期だから制作側も大変だよね。

 


普段は舞台畑にいる人間なので、それはそれはトンチキ脚本とか演出に出会って怒り狂ったことも過去経験ありますけど、視聴後の感想が完全にその時と同じ心境でした。
しかもこの作品に至っては何度でも言うけどキャストに罪がないだけに心苦しいんだあああ!!!

 

ということで個人的評価としては

★★☆☆☆(1.5)

序盤の北斗くんのキスシーンかっこよかったのでそこのボーナス点です。